紛争鉱物と金型は関連があるか

2014年2月9日更新

紛争鉱物の対象となる4つの金属(スズ、タンタル、タングステン、金)ですが、金型の製造工程で使われたり、製品そのものにも含有する可能性もあります。

金型に使われる鋼材で、例えばダイス鋼であれば、タングステンを合金元素して意図的に添加しているケースがあります。あるいは、耐摩耗性や表面硬度を向上させる目的で、表面処理(コーティング)を金型の表面に行うことがありますが、これについてもタングステンをコーティング材料に使うケースがあり、またメッキや離型剤についても、溶液内にスズを含有するものもあります。

超硬の金型を使う業種は限られますが、こうした超硬合金の素材にはタングステンが欠かせません。

いずれにせよ、金型メーカーに対して、紛争鉱物調査依頼を行う必要があります。そして金型メーカーは、鋼材の供給元やコーティングを行っている業者へ同様の依頼をすることになり、鋼材メーカーは鉱石などの製錬業者を特定するという流れになります。

この調査が大変なのは、下流に近い大手米国上場企業から依頼が出されると、次々に上流のサプライヤーへこの調査依頼がまわってくるため、米国企業と関係のない製造業であっても調査を行う必要がある点です。そして、製錬業者と直取引のある上流のサプライヤー以外は、結局、自分たちの取引のある全サプライヤーに同様の紛争鉱物調査依頼を行うことになるため、回答やその回収にも時間がかかるわけです。

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