個建てと車建ての違い

2017年6月19日更新

輸送費の検討や計算を行う際に耳にする「個建」と「車建」とは何を意味するのでしょうか。「個建」は「こだて」、「車建」は「しゃだて」と読みますが、初見では何を意味しているのか分かりにくい言葉の一つです。ただし、これらの違いは輸送費用の算出には欠かせない区分となります。同音異義の言葉が他にもあるため、ここで説明する内容は、物流や貿易の世界で耳にする場合の意味となる点にご注意ください。

なお、英語で表現する場合、個建ては「unit based fare」、車建ては「charter system fare」と言えばわかりやすいでしょう。

車建てとは、トラック一台あたりの料金で、いわゆる輸送会社からトラックを自社で「貸切」にした場合の料金です。緊急での輸送で1回限りのスポットで使うような場合と、定期的に使うような場合とで料金体系が異なります。

一方、個建てとは、パレットあたりいくら、あるいは段ボールや通い箱のなどの輸送単位1箱あたりいくら、といった場合の料金体系のことです。

運送会社に依頼する際、どちらの契約方法が安くなるかを自社で計算し、コスト試算を行うことが一般的ですが、中には一概に単純比較が難しいケースもあります。

加えて、荷量というのは常に同じというわけにはいきません。あるときは十分な荷物があり、トラックが満載になるため、車建て契約で依頼したほうがはるかにコストメリットがあるというような場合でも、荷物が減り、トラック1台に1パレットしかない、というようなことになれば、1パレットの荷物に1台分の車建てコストが乗ることになります。

見積もりの際、車建てで、荷物が満載になる前提で輸送費を計算する場合と、車建てで荷物が少ない前提で輸送費を計算する場合とでは製品1つあたりにかかってくる輸送費がまったく異なるものになってきます。

一方、個建ての場合、自動車部品などの世界では1パレットあたりの料金となっていることが一般的で、コストは単純明快です。ただし、車建て満載と、個建てのコストとでは、当然、個建て契約のほうが割高にはなります。

以下に車建て契約の場合と、個建て契約の場合を比較した際のメリット、デメリットについて表にまとめます。

個建てと車建てのメリット、デメリットの比較
- 車建て 個建て
メリット
  • 個建てに比べて安い。
  • 中継地等も含め、輸送便を複数組み合わせて最適化すると大量の荷物を複雑に配送するような輸送ルートでもコストが最小限に抑えられる。
  • 荷物や輸送便が多い場合、規模のメリットが出せる。
  • 満載にするほどに輸送費が下がるので、自社の努力次第でコスト削減の検討をしやすい。
  • 関係者がコスト意識を持ちやすい。
  • コスト算出が容易であり、車建ての輸送便・ルートの構築や荷量の監視等が最小限ですむ。
  • 輸送費算出や、コスト削減にかける時間が少なくなる。
デメリット
  • 荷量が変動するとコストが割高になる。
  • 多数の便の荷量を常に監視する手間がかかる。
  • コストメリットを出すための荷量やルート最適化には労力がかかる。
  • 車建てよりも原則割高である。
  • 運送会社への価格交渉以外、コスト削減の努力をしようがない。
  • 荷量が増えるほどにコストが単純に比例して同じようにあがっていってしまう(荷物が多いなどの規模のメリットが出にくい)。
  • 自社で時間をかけることで大きく輸送費を削れるような場合でも、運送会社任せになってしまう。

これらの用語が貿易でかかわってくるのは、輸出品については日本側の港へ輸送するまでの費用にトラック費用が必要になってくるためと、輸入品については、港から自社の指定倉庫等へ貨物を輸送し、指定倉庫からまた別のデポや倉庫、工場、客先などへ輸送する費用も価格に算入しなければならないことが多いためです。

日本のFOBコストというのは、世界でもトップクラスの高さとなります。このコストを安く見積もりすぎると、取引するたびに自社で費用を持ち出したり、結局利益が出ていなかったりといった事態にもなりかねません。

貿易や物流費用の算定を行う際には、自社でのトラック輸送をどちらで契約しているのか、あるいは契約するのかを確認する必要があります。

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