無償サンプルのインボイス価格はどうすべきか

2017年3月21日更新

海外からの送金や支払いが不要な無償取引については、無償インボイスを用いて出荷することになります。無償とはいっても、すべてのインボイスには価格を記載する必要があります。

無償サンプル等を送る場合、当然相手に対する請求は行わないため、インボイスも無償インボイスを使って貿易することになりますが、問題となるのはこの際の価格です。

実際の売買であれば、見積りのやり取りをし、インボイスにも売価を堂々と記載できますが、無償物品の多くは仕入金額がわかるものもあれば、そもそも販売を目的にしていないため、一体売価としていくらが妥当なのか記載しづらいものがあります。

結論からいえば、無償品であってもそれを本来売買とするとした場合の「売価」をインボイスには記載する必要があります。よく分からない場合でも、だいたいの相場的な価格を記載する、というようなことになります。

インボイスに書かれている金額というのは、輸送費や保険費用が加算されて、現地側では「課税」の基準となる数字として使われます。例えば、関税率30%の物品を100万円の売価で送れば、政府に対しては30万円の税金を支払う必要が出てくる、というわけです。無償品であっても、関税や物品税などの諸税は免税にならないケースが多いため、適当な価格を書いて送るとトラブルとなることがあります。本来、100万円のものを、輸出時のインボイスに1円と記載して送れば、現地側の政府へ入る税収というのはほとんどなくなることになります。

正規の売買であれば、このような実際の価格よりも安い価格をつけて送ると費用が回収できない為、なかなか置き辛い問題ですが、無償品となると正規の価格がわからないこともあり、こうした金額を過小に記載してしまうケースが割とあります。

このように本来の売価よりも安い金額を記載することをアンダーバリューと呼びますが、れっきとした法令違反となりますので注意が必要です。

税関側では、物の価格の相場表のようなものを持っており、ここから大きくかけ離れた金額を記載している場合、スムーズに通関できないこともあります。

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