輸入の仕入計上基準|輸入品の仕入れの計上時期はいつか

2017年6月12日更新

海外から輸入した製品をどの段階で自社での仕入れ品として計上するかによって、帳簿が大きく変わることがあります。仕入計上をいつにするかが問題となるのは、買掛金として計上できるかどうかが変わってくるからです(仕入計上してから代金を支払うまでが買掛金となるため)。

 ただ、日本の税法上は取引内容ごとにいつ計上すべきか規定されているわけでは在りません。実務上は輸入品であっても、検収日をもって仕入計上とする企業が多いかと思います。

このように一般に、製品の検収をあげた際や引き取った際に仕入計上を行うことになりますが、この仕入計上基準にはいくつか種類があり、会社ごとにルールを定めて統一的に運用していることが多い為、不明な場合は、まずは輸入部門や調達や購買部門へ確認するとよいでしょう。

仕入計上をどうするかという問題とよく混同されますが、輸入品の棚卸資産がどの時点で「資産」となるかは仕入計上の問題とは異なりますので注意を要します。

 この問題の概略は、棚卸資産が増えると、売上原価が少なくなるため、見かけ上の利益は増えます。ただし実際に在庫が売れて入金がない限り、会社に現金は入ってきません。黒字でも現金がないという事態が起こってしまいます。売り上げも、売上原価も商品が売れたときに発生するためです。

逆に棚卸し資産が実際よりも少ないと、利益も少なく計上されてしまいます。国税当局や会計士が棚卸資産の計上漏れを気にするのはこうした理由からです。

もっとも、棚卸資産となる商品がいつ自社の資産となるかは、所有権が自社へ移転することと同義といえますが、難しいのは貿易取引で危険負担の移転を取り決めているFOBやCIFといったトレードタームでは、所有権の移転時期については何らか取り決めがないという点です。通常、貿易取引においては所有権の移転時期は契約で取り決めますが、特に取り決めずに、貿易条件と支払い条件だけ決めて取引してしまっているケースも散見されます。

実務上はトラブルがない限りそれで支障がないわけですが、例えば、FOBといった貿易条件の危険負担と同様に所有権が移転するものと解釈する場合、支払いが完了する以前に現地港を出港すると同時に所有権が移転してすることにもなってしまいます。

輸入品の主な仕入計上基準

話が若干広がってしまいましたが、仕入計上の時期をどうするかについては、資産の移転時期とは連動させておく必要はなく、おおむね、以下の5パターンでの運用が見られます。

船積通知(シッピングアドバイス)入手日基準

船積みされた時点で仕入計上する方法です。シッピングアドバイスをもとに、B/Lやwaybillに記載されている船積み日を基準にして計上します。FOB現地港の条件で輸入していたり、CIF日本港の条件で輸入している場合は、危険負担は現地港で船積みされたあとからは輸入者に移転しますので、これをもって仕入日と考えるやり方です。

船積書類(船荷証券)入手日基準

B/L(船荷証券)は、本来は現物と交換できる有価証券でもあるため、L/Cによる取引ではこれを入手できるということは代金支払いが完了したということになります。支払い完了をもって、仕入計上すると言う方法となります。

通関日基準

製品を輸入した際、自国での通関日をもって仕入計上する方法となります。通関日=輸入許可日は、輸入許可書に明記されている為、証明が容易で明確です。

現品引取日基準

上記の通関にて輸入許可が下り、輸入者が実際に保税倉庫などから貨物を引き取った日を仕入計上の基準とする方法です。通関後、何日後に引き取るかは輸入者や倉庫、トラックの手配などの関係でまちまちですが、現物が輸入者の手に渡ったと考えられる日である為、理に適った基準でもあります。

検収日基準

仕入計上としてはよく使われる基準で、実際に検収をあげた日をもって計上する方法です。上記では、引き取っただけで現物の中身については確認していません。輸入品の多くについていえることですが、実際にコンテナを開梱したり、箱を開けてみたら違うものが入っていた、あるいは数が足りないといったことは意外とよくあります。検収し、中身を確認してから仕入計上する方法です。

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