限度見本の意味と定義とは|限度見本を英語でいうと

2017年7月24日更新

自動車部品の業界に限らず、製造業でよく使われる「限度見本」の定義は、ある製品を品質上合格とするか、不合格とするかの限度を示した製品見本で、合格品の限度見本と、不合格品の限度見本とがあります。製造上、合格か不合格かの境界がわかりにくい官能検査などには必須のアイテムで、実際に製造したものと見本とを比較し、限度見本を超えている場合に合格もしくは不合格にします。限度見本を英語で言うと、boundary sampleやlimit sampleもしくはcriteria sampleといった表現がよく使われます。

実際の検査作業の際に迷った場合はこの限度見本をもとに判断していくことになりますので、限度見本の持つ意味は非常に大きいといえます。

定量的にデータを検査ではかることのできる項目では、限度見本をいちいち作らなくとも、その計測した数値ですぐに合否判断ができますが、目で見て判断しなくてはならない等、作業者の感覚をたよりに合否を判断しなくてはならない局面が、製造現場では数多く存在します。こうした官能検査が必須となるような製品や製造ラインでは、限度見本を作っておくことで、判断の基準を作ることができます。

品質の標準を示した見本を「標準見本」といいますが、限度見本は「どこまでOK品とするか」の限度を示すためのものとなります。標準見本しかないと、では標準と違う場合、どの程度の違いまでなら許されるのかという点がわかりません。限度見本はこうした疑問に応えるツールのひとつです。

多くの製造現場では、不良品の判断のため、不良の種別ごとに複数の限度見本が備えてありますが、これはこうした目的のためです。

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