タンタル(元素記号 Ta)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

タンタルは遷移金属のうちのレアメタルの一つで、タンタル石から得られたり、スズ精練時の副産物としても得られます。ニオブとよく似た性質であることが知られています。主な用途は、人工骨、電解コンデンサの電極、歯のインプラント用の材料等があります。

タンタルコンデンサは、他のアルミ電解コンデンサに比べて小型化が可能で、漏れ電流が少なく安定しているとされます。パソコンや携帯電話、モバイル機器に多数使われています。よく似た性質のニオブよりも価格が若干高いため、ニオブコンデンサの研究も進められています。

人体に無害で、生体親和性もあることから人工骨としての利用もあります。また人工歯根であるインプラント材料としても使われ、チタンとタンタルの合金も実用化されています。

タンタルの酸化物であるTa2O5(五酸化タンタル)は、薄膜としてDWDM用途(光波長多重通信)や光学部品に高屈折率材料として使われています。

タンタル(元素記号 Ta)が活用されている分野

  • 人工骨
  • 電解コンデンサの電極
  • 歯のインプラント用の材料
  • 薄膜材料
タンタル(元素記号 Ta)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 4f145d36s2
英語 Tantalum
原子量 180.9
同位体 180Ta、181Ta
融点 3017℃
沸点 5458℃
密度 16.65g/cm3
比重
硬度 モース硬度6.5
色、形状 灰色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:4.8
293K(20℃):6.3
500K:6.8
800K:7.2
タンタル(元素記号 Ta)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃ 43.0
300℃ 25.5
100℃ 16.7
0℃ 12.3
−195℃ 2.5
タンタル(元素記号 Ta)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 60
300℃ 58.5
100℃ 58
0℃ 57
-100℃ 58

>元素周期表の目次へ戻る

スポンサーリンク

タンタル(元素記号 Ta)の関連記事

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集