チタン(元素記号 Ti)の用途、特性、物性、密度、比重、融点、沸点など

2012年8月30日更新

チタンは金属単体として、あるいは酸化チタン(二酸化チタン)の形で広く使われるレアメタルの一つです。チタニウムとも呼ばれます。メガネやゴルフ用品などの日常製品から、航空機やスペースシャトルまで幅広い適用事例のある物質です。

またチタン合金は重さのわりに強度に優れた金属材料として知られます。形状記憶合金の触れ込みで一般市場でも宣伝されていたことがありますので、聞いたことがないという方のほうが少ないかもしれません。

チタン金属は耐食性、耐熱性に優れた素材でもあり、海水でも腐食しない稀有な金属の一つです。耐熱性についても、高温下でも強度が低下しにくいため、比強度が必要でアルミでは耐熱温度が不足するケースではチタンが採用されることがあります。また低温環境でも脆くなりづらいという特徴も持ちます(低温脆性に優れる)。

他の合金への添加物質として使う場合、チタンは表面硬化や耐食性を向上させることに寄与します。

チタンはイルメナイトというチタン鉄鉱やルチル鉱石に、二酸化チタンの形で存在します。工業的には、イルメナイトからスポンジチタンを取り出します。チタンの埋蔵量はすなわち、イルメナイトがどれだけあるかということですが、中国、オーストラリア、インド、南アフリカ、ブラジルなどです。

チタンの酸化物である二酸化チタンは、白色をしており、光を反射するため化粧品にパウダーが白色顔料として使われることがあります。チタンそのものが生体親和性に優れた素材ですが、その酸化物は皮膚に触れても無害です。

チタン(元素記号 Ti)が活用されている分野

  • 光触媒
  • チタン合金
  • 化粧品
  • 光学薄膜の高屈折率材料
  • 航空機エンジン
  • ゴルフクラブ
  • 眼鏡のフレーム
  • 機械部品
  • 生体部品
  • 薄膜
  • 形状記憶合金
チタン(元素記号 Ti)の特性、物性
分類 金属元素
電子配置 3d24s2
英語 Titan
原子量 47.88
同位体 46Ti、47Ti、48Ti、49Ti、50Ti
融点 1660℃
沸点 3287℃
密度 4.51g/cm3
比重
硬度 モース硬度6
色、形状 銀白色
20℃、1atmでの状態 固体
線膨張率
(α/10-6K-1
100K:4.5
293K(20℃):8.6
500K:9.9
800K:11.1
チタン(元素記号 Ti)の電気抵抗(ρ/10-8Ω・m)
700℃
300℃
100℃
0℃
−195℃
チタン(元素記号 Ti)の熱伝導率(W・m-1・K-1
700℃ 21
300℃ 19
100℃ 21
0℃ 22
-100℃ 26

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