伝票の種類を英語で表現|赤伝や黒伝を意味する英語はあるか

2018年5月14日更新

伝票の種類を英語で表現する際にネックとなるのは、同じ「英語」であっても、米国、イギリス、インド、オーストラリア等、それぞれ伝票の名称が微妙に異なる点です。ややこしいのは、同じ用語、たとえばcredit voucherにしても、インド英語で意味するものと、アメリカ英語で意味するものが違うという点です。最終的には、伝票の内容と使われている国や使用されている文脈が判断していくことになります。

日本では、3伝票制(入金伝票、出金伝票、振替伝票)と5伝票制(入金伝票、出金伝票、振替伝票、仕入伝票、売上伝票)が多くの企業で使われていますが、国によってはこれらの線引きの仕方が違っているため、厳密には相当するものがなかったりすることもあります(簿記の仕組み自体や原則はおおむね似ているとしても、日本の簿記とまったく同じという国は今のところ筆者は見たことがありません)。

赤伝と黒伝に対応する英語は

国内の企業取引では「赤伝(あかでん)」「黒伝(くろでん)」という用語はごく一般的に使われ、何らかの理由で伝票の内容を部分的にマイナス処理したり完全に打ち消す処理したい場合に赤伝を使い、その際の伝票には赤文字で記入することから、赤伝の名称を使います。海外ではこうした処理の際にはcredit noteやcredit memoを使いますので、赤伝に相当する英語としてはこれらが使われることが多いといえます。

では黒伝とは何かといえば、こちらは赤伝との対比で使われることがある用語ですが、通常の伝票はすべて黒伝であるため、伝票の内容に応じた訳語をあてるのが自然かと思います。

赤黒処理、デビクレ処理とは

さらに、赤黒処理となった場合の英語表現はどうでしょうか。結論から言えば一語で適切な英語訳はないため、内容を説明する必要があります。赤黒処理は赤黒訂正ともいいますが、一般には、いったん間違えた伝票を赤伝で打ち消ししてから、正しい伝票を黒伝で発行するというのものです。

海外企業との請求・支払のやり取りについても、請求書の金額や単価などが間違えていた場合、似た方法を使って処理することがあります。たとえば、インボイスの金額が間違っていた場合、クレジットノートやクレジットメモを使って減額します。通常は、間違っていた分だけを減額しますので、黒伝処理は要らず、このクレジットノートを使った赤伝処理で完了となります。まるまる取消ししたい場合は、先に発行した伝票と同じ金額のクレジットノートを発行して赤伝処理し、再度伝票や請求書を発行するという形になります。

海外企業との貿易取引の赤黒処理や相殺処理のことをデビクレ処理と呼ぶ会社もあります。

たとえば、まったく異なる品名の請求書を間違えて発行してしまい、これを赤黒訂正で再度正しい請求書を発行したいというような場合、以下のような英語例文となります。

手違いにより当社から発行済みの請求書(Invoice no. 54321)を赤黒訂正(赤黒処理)でいったん打ち消ししたのち、この取引に対する正しい請求書を発行させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。この方法で何か不都合がございましたらご教示ください。手違いがあり申し訳ございません。

Due to our mistake, we are issuing credit note for invoice no. 54321 and would like to credit the total amount for this invoice. After this, we would like to issue correct invoice for this trade. If you have any inconvenience at your side by this method, please let us know. We apologize for this mistake.

英語での伝票の種類の一覧表

下表によく使われる伝票に対する英訳例を一覧にまとめました。日本での3伝票制や5伝票制で使う用語に近い意味を持つ英語名称ですが、冒頭で述べたとおり、アメリカ英語とインド英語とでも会計制度も異なり、同じ英語といえども伝票の意味するものが異なることがありますので、使われる文脈においてその伝票が果たす役割が何かを考えてから訳語をあてはめる必要があります。

英語での伝票の種類一覧
伝票の種類 英語での伝票
入金伝票 paying-in slip, receipt voucher, receiving slip
出金伝票 disbursement slip, disbursement voucher
借方伝票 debit voucher(インド英語では出金伝票の意)
貸方伝票 credit voucher(インド英語では入金伝票を意味することも。米国圏では赤伝のことを意味する)
赤伝 credit memo, credit note
振替伝票 cross slip, journal slip, transfer memo, transfer slip
売上伝票 sales slip, アメリカでは単にcheckということも。sales ticket等。
仕入伝票 purchase slip
請求伝票 invoice, billing, billing statement
 

スポンサーリンク

>このページ「伝票の種類を英語で表現|赤伝や黒伝を意味する英語はあるか」の先頭へ

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集