締め代(しめしろ)とは何か

2013年9月10日更新

軸を穴に入れる際、穴よりも軸のほうの外径が大きい場合で、穴からオーバーする部分の量のことを「締め代」といいます。隙間の逆ともいえます。

軸のほうが穴よりも太いので、通常の状態では押し込んでも入りませんが、熱をかけて膨張させて穴にはめてから冷やすことでぴったりとした「はめあい」を作り出すことができます。

しめしろが大きいと、はめた後の固定力が強靭なものになり、容易に抜けなくなりますが、逆に外しにくくなるという欠点もあります。適度にしめしろを小さくすると、固定力は落ちますが、加熱や冷却をうまくすることで取り外しがしやすくなるので、用途によってはこのほうがよいこともあります。

穴のある素材と、軸(棒)の素材とで熱膨張係数の違う材料を選ぶことで、加熱によってしめしろを確保することもあります。

穴と棒の寸法が同じであれば、しめしろは0となります。

焼きばめ等は加熱によって膨張した部分に部品をはめこんで冷やすと容易に外れなくなるという原理を利用したもので、まさに「しめしろ」を設けてあります。ダイヤモンドホイールの製造時には、台金に焼きばめを使うことがあります。

なお、砥石の取り付けの場合は、しめしろがある製品は基本的にNGとなります。加熱をせずとも、ぴったりとフランジにはまることが条件です。その後バランスをとることになりますが、がちがちの固定力よりもこのほうが精度を保つのに都合のよい工具も存在します。

スポンサーリンク

>「締め代(しめしろ)とは何か」についての先頭へ

砥石Q&A一覧へ戻る

「締め代(しめしろ)とは何か」についての関連記事とリンク

はめあい公差とは
H7などの記号で示される「はめあい公差」とは
はめあい公差表(JIS規格による許容寸法一覧表)
鉄鋼、鉄、炭素鋼、ステンレス、鋳鉄、超硬の熱膨張係数
金属材料の線膨張率

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集