輸出と輸入のHSコードの違い

2013年3月16日更新

HSコードは輸出に使うものでも、輸入に使うものでも6ケタまでは世界共通になるため、どの国への輸出入でも同じになります。ただし、6ケタ以降の細分類については各国で決めてもよいという取り決めになっており、どの国も貿易量や商習慣、自国産業などにあわせて固有の番号をつけています。日本の場合は、世界共通部分の6ケタに3ケタを足して、合計9ケタの番号がHSコード(税番)の完全版ということになります。

通常は6ケタまでで問題ありませんが、相手国側の税関で通関を行う際に、品目によって定められた関税を支払う際、この品目ごとの関税率が6ケタだけでなく、さらに細分で設定されている場合は、相手国側のHSコード(税番)とそれに対応した関税率を把握しておく必要があります。

日本の場合、関税は6ケタで設定されているものがほとんどですが、品目によっては、その細分である9桁ごとに関税率が設定されているものもあります。これは他国についても同様です。一言で言えば、この相手先でのHSコードの完全版がわからないと、関税の決定ができません。

したがって、ある製品を海外へ輸出したときに日本側でつけたHSコードは、相手国の税関についたときには別のHSコードになることがあります。製品そのものをどこに分類するのかという点で解釈が違った場合は、これとは別の意味でHSコードの変更を余儀なくされますが、仮に解釈が同じだった場合も、6ケタ以降の番号はそれぞれの国で固有のものになっているため、自国から輸出するときと、相手国(輸入国側)の通関時には違う番号となります。

ただし、日本にいる場合、日本から輸出するときのHSコードと、海外から購入して日本に輸入したHSコードは、番号体系が同じものを使うので、相違はありません。こうした事情からHSコードは国単位で見ていく必要があります。もっとも、ほとんどの品目の関税率は特殊なものを除くと、6桁までの世界共通部分が同じならば、たいていのものは似た関税率になっています。

相手先でのHSコードが特定できずに関税率がどうしても分からない場合は、とりあえず6ケタのHSコードで検索し、その関税率を概算のものとして見るのも一つの方法です。

スポンサーリンク

>このページ「輸出と輸入のHSコードの違い」の先頭へ

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集