バンドソー(ダイヤモンドバンドソー)とは

2010年6月26日更新

ダイヤモンドバンドソーとも言います。切断用の工具の一つで、ノコギリが帯状でエンドレス構造になっているダイヤモンド工具です。帯状のベルト部分と、その下に並べるように配置されたダイヤモンドチップ部分とで構成されています。ガングソーは鋸状で板状になっており、左右に動かすことで切断していくノコギリと同様の構造をしていますが、バンドソーはその帯が円としてつながった工具で、テンション側プーリと駆動側プーリに挟んで高速回転させて使われます。上から見るとちょうどカセットテープのように見えます。このテープに相当するのがバンドソーです。

回転速度は0〜2000m/min程度で、機械の構造も2個のプーリ、バンドソー、モーター、テーブルユニットからなるシンプルな構造です。

高張力鋼によるテンション(引っ張る力)と、高速回転で対象を切断する仕組みのため、テンション側プーリにはバンドソーを引っ張って「たるみ」を極限までなくすための油圧シリンダがついています(このバンドソーを張り上げる作業をテンショニングともいいます)。プーリとバンドソーが上下に動くことで送りを調整し切断していきます。石英や石材、建材、サファイア、シリコン、ゲルマニウム、ガラス、カーボン、耐火レンガ、磁器、フェライトなどの硬い素材や削りにくい素材の切断に向いたダイヤモンド工具です。またプラスチック、ベークライト、FRP、エポキシ樹脂などの切断にも使われます。

バンドソーの特徴としては下記の点が挙げられます。

  • 高速回転のため、切断抵抗が少なく、短時間での高精度の切断が可能。欠けやピッチングが比較的少ない。
  • テンション式のため、大面積、大型のワークの加工にも向いている(通常の丸鋸タイプに比べて)。
  • 切削液(研削液)のかかり方がよいため、精度のよい連続可能に向く。
  • 騒音が比較的少ない。
  • ソー(切断刃)にかかる負荷が少なく、結果として磨耗も抑えられる。
  • 乾式での加工にも使える、取替えが容易
  • 加工対象の破損が少ない

なお、バンドソーは大型のものが多く見受けられますが、卓上で小型のバンドソーもあります。

スポンサーリンク

砥石の用語集へ戻る

バンドソー(ダイヤモンドバンドソー)の関連用語

ガングソー

砥石からはじまり、工業技術や工具、材料等の情報を掲載しています。製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、購買調達、資材、生産管理、物流、経理など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

このサイトについて

研削・研磨に関わる情報から、被削材となる鉄鋼やセラミックス、樹脂に至るまで主として製造業における各分野の職種で必要とされる情報を集め、提供しています。「専門的でわかりにくい」といわれる砥石や工業の世界。わかりやすく役に立つ情報掲載を心がけています。砥石選びや研削研磨でお困りのときに役立てていただければ幸いですが、工業系の分野で「こんな情報がほしい」などのリクエストがありましたら検討致しますのでご連絡ください。toishi.info@管理人

ダイヤモンド砥石のリンク集

研磨や研削だけでなく、製造業やものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業分野で必要とされる加工技術や材料に関する知識、事業運営に必要な知識には驚くほど共通項があります。研削・切削液、研削盤、砥石メーカー各社のサイトから工業分野や消費財ごとのメーカーをリンクしてまとめています。

研磨、研削、砥石リンク集