防錆に使う黒染めの成分とは

2018年1月1日更新

黒染め(くろぞめ)とは、黒染加工とも呼ばれ、炭素鋼などの鉄系の素材に行う防錆加工の一つです。アルカリ酸化黒色皮膜処理、アルカリ着色処理と呼ばれることもあります。錆を防ぐために行う化成処理の一種になります。

鉄鋼材料を化成ソーダなどを高温にしたアルカリ溶液に浸して煮沸等することで、強制的に鉄の表面に黒錆を作り出します。この黒錆の成分は、四酸化三鉄であり、化学式で見るとFe3O4となります。マグネタイトとも呼ばれ、安定した黒錆であるため、鉄を腐食からある程度保護することができます。黒錆との名称ではありますが、見た目は黒く光沢があり、塗装の下地としても使われます。膜厚は1から3ミクロン程度とされます。コストが安いことと、見た目がよいため、着色目的で実施されることもあります。

ただ、500℃前後まで高温で鉄を熱して厚い層のあるスケール状の黒錆を作り出す方法と違い、アルカリ溶液への含浸で作られる黒錆は、鉄表面自体を完全にカバーするほど緻密な皮膜になっていないため、非結晶性の膜であり、水のあるところではこれら黒錆の隙間から錆が進行することがあります。

黒染めで生成される黒錆は、他の化成処理に比べても薄いため、精密部品などに用いても寸法への影響が小さいことや材料が変質・変形するレベルでの加熱を行わないため、材料強度・性質への変化が少なくすむといったメリットはあります。

実用上は他の化成処理と併用されることもあります。不動態皮膜を形成することもできるクロム酸塩を用いたクロメート処理などの下地処理として実施されるケースもあります。

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