鉄錆の進行速度はどれくらいか

2018年1月1日更新

一般的な鉄鋼材料である炭素鋼を流れのない水(淡水)の中に沈めておいた場合、錆等が全面に発生して腐食進行する速度は、1年間に約0.1mm程度であると言われています。これは侵食度と呼ばれる指標を用いた場合の錆進行の度合いを見るためのもので、腐食速度を肉厚減少のスピードとしてみた場合の値です。板厚で見た場合、1年で0.1mm程度腐食が進んで厚みを失うということになり、単位上は、0.1mm/yと表記されます。

つまり、鉄鋼素材で作られた部品なり、製品なりを約10年間、流れのない静かな常温の水中に沈めておいた場合、表面から1mmほどは腐食が進行する計算になりますが、実際には、水中に含まれる塩化物イオンなどの塩類の影響があれば腐食はさらに早く進み、水に流れがある場合も腐食はさらに進行速度が増します。

一方、錆が一方的に進んでいくかといえば、水中に沈めておいた炭素鋼が不動態化して、錆の進行が抑制されることもあります。これは水中の酸素と炭素鋼表面が反応し、不動態皮膜が形成されるためです。アルミやステンレスのように不動態皮膜が容易に作られる金属もあれば、鉄や炭素鋼のように特定の条件が揃った際に皮膜が作られ不動態化する金属もあります。

鉄錆の1年間当たりの進行速度
環境 侵食度
流れのない水道水等の正常な淡水の中 0.1mm/y
流れのある水中 0.5mm/y
中性で微生物や電流の影響を受けない土壌中 0.05mm/y

鉄錆の進行速度をはやめる可能性のある要素としては以下のものが考えられます。

  • 水温
  • 水や液体など流れている「流体」との接触
  • 水中の酸素量、塩化物イオンの量
  • 他の金属との接触(鉄鋼よりも貴な金属、例えば銅、ステンレス等との接触)
  • 微生物
  • 土中の電流の影響
  • 酸素濃度の違いによる影響
  • pHによる影響(高温・高濃度のアルカリ性環境や酸性環境)

錆、腐食の発生には必ず原因がありますが、多くは複合的な要因が重なっており、まずは発生原因を特定することが重要となります。

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