防錆剤や防錆紙に使われるVCIとは何か

2018年1月1日更新

VCIとはVolatile corrosion inhibitorの略で、日本語では気化性防錆剤を意味します。気化性防錆剤とは、防錆剤が時間ともに揮発して対象となる金属の表面に付着し、腐食を防止する機能を持つ薬剤です。ちなみに、防錆紙であれば英語でVCI paper, 防錆袋であれば英語でVCI bagと呼ばれています。

実用上は、防錆紙や防錆袋、防錆シートのかたちで販売されており、金属の錆を防ぐため、輸送中あるいは保管中に活躍しています。紙や袋、シートなどに防錆効果のある薬剤をしみこませてあり、これを密閉された箱などに錆を防ぎたい製品と一緒に入れておくと、薬剤が少しずつ気化して製品の表面に付着し、防錆効果を発揮するというメカニズムの製品です。

金属部位をもつ製品を箱に入れ、製品を入れ終わった後、上部に一枚防錆紙を入れておくと、この紙から気化性防錆剤が徐々に出てきて製品に付着します。これが錆の防止になるというアイデアです。

製品に付着するといっても、気化性の防錆剤については、一般には洗浄や除去などは必要なく、そのまま次工程で使われますので、塗装やメッキなど錆には効果があるものの、設計変更を伴うような変更が不要であるため、もっとも手ごろな錆防止対策の一つともいえます。

なお、防錆紙の効果をフルに発揮させる場合は、製品をビニールに入れ、防錆紙を入れてから密閉してしまうほうがよいとされます。ただ、密閉した袋内に湿気がたまったりするような場合は、別途シリカゲルも投入する場合がありますが、これも気候の影響を受け、特に長距離輸送によって気温や湿度ががらりと変わってしまうような場合には、一度シリカゲルが吸い込んだ湿気をまた放出してしまうというようなことにもなりかねません。

状況によって他の防錆用品と併用する際は使い分けが必要です。また、防錆紙と防錆袋でいえば、袋の中が結露してしまうなどの特殊な事情がない限り、より効果が高いのは防錆袋となります。コストも袋のほうが高いですが、実際には使用前に試験、あるいは輸送中に使うのであれば、輸送トライを行う等で効果を確かめてから使うことが肝要です。

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