スパッタとは

2011年5月7日更新

スパッタとは、薄膜を作成する「成膜技術」の一つです。特にナノ単位の薄膜の量産に向いた技術で、大面積に対する基板への成膜でも威力を発揮します。

原理としては、不活性ガスなどの雰囲気中(アルゴンガスなどで満たされたチャンバー内)でターゲットと呼ばれる材料に高電圧の印加により、放電させます。チャンバー内に充填されているイオンを加速させ、ターゲットに衝突させることで、ターゲット材料を構成する原子をたたき出します。イメージとしては、大きな長方形の板にパチンコ玉を叩きつけて、表面から材料を弾き出すようなものです。この弾き出された原子が基板に到達して、薄膜となっていきます。

高エネルギーの原子や分子が衝突することで、このターゲット材から原子を叩き出すのがスパッタの基本原理ですが、これにもいくつか種類があります。

  • コンベンショナル・スパッタリング
  • マグネトロン・スパッタリング
  • イオンビーム・スパッタリング
  • ECRスパッタリング
成膜の方法例
液相成膜法(ウェット) めっき
塗布
ゾルゲル
スピンコート
気相成膜法(ドライ) PVD(物理的気相法) 蒸着
スパッタ
CVD(化学的気相法) 熱CVD
MOCVD
プラズマ

薄膜の特性【参考】

主として光学膜や機能膜として用いられる薄膜の代表的な特性、物性について紹介します。

酸化物の薄膜

フッ化物の薄膜

窒化膜

炭化膜

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