鍛造用鋼材、鍛造に使う炭素鋼とは

2012年11月12日更新

炭素鋼は、鉄と炭素の合金のことです。鉄は、その中に含まれている炭素の割合によって様々な性質を持つ材料です。一般に、工業材料として使われる「鉄」は鉄鋼のことを示しており、そのどれにも多かれ少なかれ、この炭素の量が影響してきます。例外としては、カーボニル鉄をはじめとする純鉄くらいでしょうか。

さて、合金とは、ある金属に他の金属や元素を混ぜ合わせたもののことですが、この合金は、成分金属の種類や、その配合の割合によって、単一の金属では得られない様々な優れた性質を持つので、ほとんどの金属材料はこの合金の形で使用されているのが実態です。前述の鉄の合金のほか、アルミ合金、チタン合金、銅合金、マグネシウム合金など、素材として使われる金属のほとんどが合金です。したがって、金属を知る、ということは合金の性質を知るということでもあります。

日本工業規格、いわゆるJISでは、鋼材について様々な種類のものを規定しており、鍛造用としてよく使うものは以下の通りです。鍛造された炭素鋼を、炭素鋼鍛鋼品ともいい、通称SF材と呼ばれます。

鍛造に良く使われる機械構造用炭素鋼
材料の種類 主な用途
s20c ボルト・ナットなど
s25c モータの軸
s30c 小物部品
s35c 棒類、ハンドル
s40c 連結棒。継ぎ手
s45c クランク軸、ピン
s50c クランク軸、ピン
s55c クランク軸、ピン
炭素鋼鍛鋼品
材料の種類 主な用途
sf340a 各種鍛造品
sf590a 各種鍛造品
炭素工具鋼
材料の種類 主な用途
SK1〜SK7 各種工具・刃物

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