A5154とは|JIS規格材の特徴と物性

2021年7月10日 2024年2月24日更新

A5154とはJIS規格材料のひとつで、同系統のA5052とA5083の中間程度の強度を持つアルミ合金です。船舶、車両、圧力容器などに使われる材料で、耐食・成形・溶接ともに良好です。5000番台のアルミとしてはTiの量が高めです。MgやSiについては中間程度の含有量です。

A5154の成分

5000番台の番号が付いているアルミ合金は、マグネシウムを主要添加物質としたAl-Mg系の合金です。

A5154(アルミニウム)の成分
合金番号 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ga, V, Ni, B, Zr等 Ti その他 Al
個々 合計
A5154 0.25以下 0.40以下 0.10以下 0.10以下 3.1から3.9 0.15から0.35 0.20以下 - 0.20以下 0.05以下 0.15以下 残部

A5154の機械的性質(耐力、引張強さ、伸び、曲げ)

A5154の機械的性質
アルミ材料記号 調質 引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び率(板1.6mm厚) 伸び率(棒φ12.7mm) ブリネル硬さ(10/500) せん断強さ(N/mm2 疲れ強さ(N/mm2 縦弾性係数(×1000)(N/mm2
A5154 O 245 120 27 - 58 155 120 72
A5154 H32 275 210 15 - 67 155 125 72
A5154 H34 295 230 13 - 73 170 135 72
A5154 H36 315 255 12 - 78 185 140 72
A5154 H38 335 275 10 - 80 195 150 72
A5154 H112 245 120 25 - 63 - 120 72

A5154の形状記号の種類

JIS規格ではA5154の形状は、下表の通り板、条、円板、形材、管と3種類の規定があります。なお、記号の末尾にSがついているものは「特殊級」を意味しています。これは管、棒、線、形材、導体等につく場合があり、普通級に比べて寸法許容差に違いがあります。

A5154の形状記号の一覧
形状記号 意味 英語
A5154P 板、条、円板 Plate
A5154TD 引抜管 Tube(Drawn)
A5154TE 押出菅 Tube(Extruded)
  

A5154の相当材

JIS規格以外でのA5154の相当品については、下表の通りになります。ISOとENは化学成分だけでなく機械的性質の規定があります。なお、ENはBS EN、DIN EN、NF ENとなります。

A5154の相当材の一覧
規格の種類 材料記号
AA 5052
ASTM 5052
EN EN AW-5052
ISO AlMg2.5

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