中庸熱ポルトランドセメントの成分、特徴について

2011年4月17日更新

硬化する際に発生する水和熱が小さく、乾燥収縮も小さいセメントで、多量の生コンを一度に打ち込んだりする際は、一気に発熱するため、これらの熱発生を抑える目的で使われるセメントです。マスコンクリートや遮蔽コンクリートに使われます。発熱量をできるだけ抑えるために、成分そのものを変えています。特に体積の大きな構造物、例えばダムなどにも使われます。硫酸塩との接触にも耐性のあるセメントです。

なお、JIS規格ではクリンカおよび石こうの合量が質量パーセントで100と定められています。

中庸熱ポルトランドセメントの成分、特性
  中庸熱ポルトランドセメント 中庸熱ポルトランドセメント(低アルカリ形)
密度(g/cm3) -
比表面積(cm2/g) 2500以上
凝結 始発(min) 60以上
終結(h) 10以下
安定性 パット法
ルシャテリエ法(mm) 10以下
圧縮強さ(N/mm2) 3d 7.5以上
7d 15.0以上
28d 32.5以上
91d -
水和熱(J/g) 7d 290以下
28d 340以下
化学成分(%) 酸化マグネシウム(MgO) 5.0以下
三酸化硫黄(SO3) 3.0以下
強熱減量 3.0以下
全アルカリ 0.75以下 0.60以下
塩化物イオン 0.02以下
鉱物組成(%) ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2) 50以下
ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2) -
アルミン酸三カルシウム(3CaO・Al2O3) 8以下

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