SGLCDDの強度、成分、比重、板厚、サイズ等の規格|ガルバリウム鋼板の種類と特徴

2013年11月25日更新

SGLCDDの特徴

SGLCDDはガルバリウム鋼板の規格の材料記号であり、深絞り用として規定されたグレードです。溶融メッキ法によって、両面にアルミと亜鉛、シリコンから成るメッキをつけられた鋼板となるため、一般の鋼板よりも加工性は少々低下していますが、耐食性が大幅に向上しています。

このグレードは、深絞り加工用であるため、同系統では炭素量も最も低い0.08%以下の極軟鋼、マンガンも0.45%以下に抑えられ、伸びの値が高くなるよう設計された鋼板です。

板厚も絞りを想定しており、0.40mm以上1.6mm以下の特に薄い板となっています。

SGLCDDの特性

ガルバリウム鋼板(SGLCDD)の成分、材質

SGLCDDの成分
(単位:%)
ガルバリウム鋼板の種類 C
炭素
Mn
マンガン
P
リン
S
硫黄
SGLCDD 0.08以下 0.45以下 0.03以下 0.03以下

ガルバリウム鋼板(SGLCDD)の機械的性質、強度

SGLCDDの引張強さ、耐力、降伏点、伸び
鋼板の種類の記号 降伏点、耐力
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び(%) 試験片と方向
板の厚み(メッキ前、単位:ミリ)
0.25以上0.40未満 0.40以上0.60未満 0.60以上1.0未満 1.0以上1.6未満 1.6以上2.3以下
SGLCDD 270以上 29以上 32以上 34以上 35以上 5号、圧延方向

ガルバリウム鋼板(SGLCDD)の重量、質量、比重

7.85が原板(メッキ前の鋼板)に共通する比重となり、計算方法としてはこれに厚みをかけ、メッキ定数を加算し、面積をかけることで実際の重量が出ます。

ガルバリウム鋼板(SGLCDD)のサイズ、寸法

JISでは標準の幅と長さの組み合わせが規定されています。

ガルバリウム鋼板(SGLCDD)の板厚

板の厚さについては、メッキ前のものを基準にし、上記の範囲で以下のようなバリエーションがあります。

ガルバリウム鋼板(SGLCDD)のメッキ厚

メッキの付着量と標準的なメッキの厚さの目安としては以下の表の通りです。なお、製品の質量・重量計算に使うメッキ量定数もこの表に記載しています。

ガルバリウム鋼板の一覧|JIS G 3321 溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯に規定されている材料記号一覧

熱延鋼板を原板に用いたガルバリウム鋼板
鋼板の種類、記号 板の厚さ(メッキ前)
SGLHC 1.6ミリ以上2.3ミリ以下
SGLH400
SGLH440
SGLH490
SGLH540
冷延鋼板を原板に用いたガルバリウム鋼板
鋼板の種類、記号 板の厚さ(メッキ前)
SGLCC 0.25ミリ以上2.3ミリ以下
SGLCD 0.40ミリ以上1.6ミリ以下
SGLCDD
SGLC400 0.25ミリ以上2.3ミリ以下
SGLC440
SGLC490
SGLC570 0.25ミリ以上2.0ミリ以下

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ガルバリウム鋼板の種類と特徴、一覧

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