結晶性プラスチックと非晶性プラスチックの違いと比較

2018年9月11日更新

熱可塑性のプラスチックは結晶性プラスチックと非晶性プラスチックの二つに分けることができます。昨今はエンプラ(エンジニアリングプラスチック)に代表されるように、高機能なプラスチックが工業材料として様々な製品に使われており、個々の性能を比較せずにひとくくりにするのは難しいのですが、一般的に当てはまるこれら2つのプラスチックの違いがどのような点にあるのかを比較し表にまとめました。実態としては、結晶性と非晶性という分子構造の違いからは傾向のようなものはありますが、必ずしも特性の違いが結晶性、非晶性の別によって説明がつく訳ではないので、個別の材料ごとに性質を見ていく必要があります。

まず、プラスチックの分類は「熱可塑性プラスチック」と「熱硬化性プラスチック」の二大分類がなされ、その中で大多数を占める熱可塑性プラスチックは、結晶性プラスチックと非晶性プラスチックに分けることができます。

熱可塑性は、熱をかけると溶けるタイプのプラスチックで、例えるならチョコレートのようなものです。対して、熱硬化性は、熱を加えると硬くかたまるタイプで、例えるならクッキーのようなプラスチックと言い換えることもできます。

プラスチックの分類方法
熱可塑性プラスチック 結晶性プラスチック
非晶性プラスチック
熱硬化性プラスチック

プラスチックの結晶性と非晶性とは何か

熱可塑性プラスチックの結晶性、非晶性の違いというのは分子構造が規則正しく並んでいるのが結晶性であり、そうではないものが非晶性となります。分子の構造はいずれも線状高分子、一次元高分子といわれる構造をしています。

この分子構造の違いがそのまま性質や特性に大きく影響しているかといえば、必ずしもそうではなく、例えば下表での「透明性」をとってみても、透明性の高いPMMA(アクリル)は非晶性プラスチックですが、同じくPC(ポリカーボネート)も高い透明性を持ちますがこちらは結晶性プラスチックとなります。

プラスチック材料を選ぶ際は、分子構造というよりも個々の材料ごとに性質・コスト・加工特性などを比較して検討することが肝要となります。

    
結晶性プラスチックと非晶性プラスチックの違い
比較内容 非晶性プラスチック 結晶性プラスチック
代表的なプラスチック ポリスチレンABS樹脂ポリ塩化ビニル、塩化ビニル樹脂アクリル樹脂、メタクリル樹脂PVA樹脂、ポリビニルアルコール ポリエチレンポリプロピレンPET樹脂、ポリエチレンテレフタレートポリ塩化ビニリデンナイロン6(ポリアミド)ナイロン66(ポリアミド)アセタール樹脂、ポリアセタールポリカーボネートポリフェニレンスルファイドポリテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂
透明性 透明度の高いものが多い 半透明、不透明なものが多い
寸法精度 良好 非晶性に劣るものが多い
寸法安定性 良好 非晶性に劣るものが多い
成形収縮率 小さいものが多い(0.4%前後から0.8%前後) 大きいものが多い(1.5%前後から2.5%前後)
強度(弾性率)※プラスチックの個々の種類や添加するフィラーによる 比較的低め 非晶性に比べ高いものが多い
耐薬品性 良好 非晶性に劣るものが多い
耐ストレスクラック性 良好 非晶性に劣るものが多い
耐ケミカルクラック性 良好 非晶性に劣るものが多い
耐疲労性 良好 非晶性に劣るものが多い
耐熱性 分子構造による明確な違い無し
比重 分子構造による明確な違い無し

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