石材の種類と性質について

2011年6月17日更新

石材は人類が最も古くから活用している素材の一つで、住居やシンボル等有史以前から使われています。エジプトのピラミッドや中国の万里の長城をはじめ、多くの遺跡で見ることができるほか、今なお、ビルの外装や床材、壁材などでも見ることができます。

社会で広く用いられている天然の石材は、おおむね次の二つに分類することができます。「御影石(花崗岩)」と「大理石」です。天然の石材には二種類しかないわけではなく、他にも砂岩、玄武岩、アラバスター、ライムストーン等がありますが、加工する上ではたいていの石材はこの二種類の石材のどちらかに近いかによって選ぶ工具や手法も絞ることができます。

石材は「材料」としては最も多い部類に入るかもしれません。というのも、産地により微妙に異なる色合い、デザインを持つため、産地の数(採石する場所を山元といいます)だけ種類があるということもできます。日本国内でも有名な石材産地では固有のブランド名を持った石材が存在し、高級品として扱われています。石材は世界各地で採れますが、概ね名産地と言えるような場所は決まっており、有名な産出国は各国に輸出もしています。

石材の性質は、天然のものであれば硬脆材料に分類することができ、硬く脆い素材です。研削や研磨を行うと、切り屑は粉のようになります。どちらかといえばガラスに近い素材です。加工には現在ほとんどのケースでワイヤー、ブレード、研磨盤、ホイール等のダイヤモンド工具が用いられます。石材の主用途である建材や墓石の加工は次のような手順で進みます。まず、採石場である山元で発破やワイヤーソー等を使って山から原石を切りだします。これを大型のブレードなどを使って切断し、目的の大きさに加工します。さらに、表面をドラムホイールなどで研削することで「厚み」を調整します。最後は研磨工程で、砥石を使って粒度の粗いものから細かいものへ順番に研磨していき、最終的にはバフと言われる工程を経て、鏡面加工されます。ビルの床材に使われている御影石が鏡のように輝いているのはこのためです。墓石も作られたばかりのものは風化や劣化から免れていますので、同じように照明がくっきりと写りこむほどの鏡面に仕上がっています。

同じ御影石に分類されているものでも模様が違うということは、構成成分の比率が異なることを意味します。また模様の目の細かさや色も加工工程によっては影響します。

石材で吸水率を見るのは、密度とともに、石の強度を見る重要指標となっているからとされます。吸水率が高いと空隙が多い、つまり構造がすかすかということになります。

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