SNCM616(ニッケルクロムモリブデン鋼)の成分と機械的性質(引張強さ、降伏点、伸び、絞り、硬度)

2010年10月19日更新

SNCM616はニッケルクロムモリブデン鋼の中では最も硬度に優れた材料で、肌焼き鋼として使われます。また引張強さに関しても、1180以上と最も高く、厳しい使用条件でも満たすことができる素材の一つです。なお、SNCM材の中では炭素量は少なく、モリブデンの含有量が一番多いタイプの材料になります。Moは高温強度、焼入れ性(硬化性)に効果のある添加元素です。

SNCM616の成分(単位:%)
材料記号 C Si Mn P S Ni Cr Mo
SNCM616 0.13
〜0.20
0.15
〜0.35
0.80
〜1.20
0.030以下 0.030以下 2.80
〜3.20
1.40
〜1.80
0.40
〜0.60
SNCM616の熱処理温度、機械的性質、硬度(参考値)
種類 熱処理温度
(℃)
引張試験
(4号試験片)
衝撃試験
(Uノッチ試験片)
硬度
(HBW)
焼入れ 焼戻し 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
%
絞り
%
衝撃値
(シャルピー)
J/cm2
SNCM616 1次850から900油(空)冷
2次770から830油(空)冷
100〜200
空冷
- 1180以上 14以上 40以上 78以上 341〜415

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