オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)の特徴|比重、耐熱温度、耐薬品性、用途

2013年3月3日更新

ポリオレフィン系のTPEであるTPOは、比重が軽く、耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優れた熱可塑性エラストマーです。耐熱性はエステル系TPEに次ぐ強さを持ちます。また耐寒性にも優れます。欠点としては、耐摩耗性や常温での耐屈曲性、耐油性、圧縮永久ひずみに不足する点などがあげられます。

用途は自動車部品、包装フィルム、家電部品、建築部品などに使われます。

オレフィン系熱可塑性エラストマーの物性、加工性、ハードセグメント、ソフトセグメント、用途などの情報

TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)の物性
ゴムの種類 ポリオレフィン系
記号、略号 TPO
生ゴムの性質 比重 0.89
ムーニー粘度ML1+4(100℃) -
SP値(溶解度パラメータ) 7.9から8.2
加硫ゴムの物理的性質 引張強さ(MPa) 3.4から15.7
伸び(%) 280から620
硬さ(JIS-A) 50から95
反発弾性(%) 50
圧縮永久歪み(%) 51から72
体積固有抵抗(Ω・cm) 1016から1017
耐電圧(kV/mm) 50から55
誘電率(Hz) 2.5から2.7
低温脆化温度(℃) −60から−70
連続耐熱使用温度 85から90℃
燃焼性 可燃
耐候性
耐油性 ×
耐熱水性
耐溶剤性
加工性 射出成形 ○(射出成形温度:210から225℃)
押出成形 △〜○(金型温度:25℃、収縮1.4から1.7%)
主な用途 自動車用部品、絶縁材料、家庭電化製品、土木用建材
分子構造 ソフトセグメント EPDM、EPM
ハードセグメント PP

熱可塑性エラストマー(TPE)の主な種類と材料記号

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