ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)の特徴|比重、耐熱温度、耐薬品性、用途

2013年3月3日更新

ポリ塩化ビニル系のTPEは、耐オゾン性や耐候性など外気での暴露が想定される局面での耐性に優れた熱可塑性エラストマーです。熱老化性や耐薬品性にも優れますが、反面、高温時には形状が保持しづらく、常温での弾力性といったゴムとしての性能に劣る面があります。

価格は廉価な部類で、耐寒性もよいTPEです。硬度も幅広くとることができます。

主な用途としては、電線の被覆や自動車部品などがあります。

ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーの物性、加工性、ハードセグメント、ソフトセグメント、用途などの情報

TPZ-(NBR+PVC) NBR(NBRとPVCのブレンド)の物性
ゴムの種類 PVC系
記号、略号 TPZ-(NBR+PVC) NBR(旧記号ではTPVC)
生ゴムの性質 比重 1.22から1.32
ムーニー粘度ML1+4(100℃) -
SP値(溶解度パラメータ) -
加硫ゴムの物理的性質 引張強さ(MPa) 8.8から34.3
伸び(%) 310から480
硬さ(JIS-A) 48から80
反発弾性(%) 10から53
圧縮永久歪み(%) 47から52
体積固有抵抗(Ω・cm) 1012から1013
耐電圧(kV/mm)
誘電率(Hz)
低温脆化温度(℃) -20から-55
連続耐熱使用温度 60から75
燃焼性 自己消火性
耐候性
耐油性
耐熱水性
耐溶剤性
加工性 射出成形 △(射出成形温度:160〜180℃)
押出成形 (金型温度:常温、収縮18/1000)
主な用途 自動車部品、土木シート、家電製品、各種ホース
分子構造 ソフトセグメント PVC
ハードセグメント PVC

熱可塑性エラストマー(TPE)の主な種類と材料記号

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