マンガン鋼(SMn材)の用途、機械的性質、成分の一覧
機械構造用合金鋼のうち、Mn(マンガン)を1.2%以上含む鋼材です。耐摩耗性に優れた材料で、合金鋼のなかでは比較的手に入りやすく、価格も手ごろです。また靭性にも優れています。
添加する特殊元素としてのMn(マンガン)は、Si(シリコン)と同様に、機械的性質の改善に威力を発揮します。特に、鉄中の「引張強さ」と「靭性(じん性)」を向上させます。1.5%以上になると伸びが減少するとされますが、炭素量を低めに抑えてマンガンを加えることで、引張強さを損なわずに靭性を高めることができます。鉄に有害な硫黄との親和性が高いため、赤熱ぜい性を防ぐ働きもあるとされます。なお、JISでは4種類のマンガン鋼について規定があります。用途としては、コネクティングロッド、フロントアクスル、リヤアクスルシャフト、ボールジョイント、Uボルト等があります。
なお、JISではマンガン鋼(SMn材)として4種について規定があります。
「JIS G 4053 機械構造用合金鋼鋼材」に規定のあるマンガン鋼(SMn材)の材料記号
マンガン鋼(SMn)の材料記号の新旧対照表
旧規格はJIS G4106。廃止後、JIS G 4053へ統合。
2003年 | 1979年 | 1968年 |
---|---|---|
SMn420 | SMn420 | SMn1 |
SMn433 | SMn433 | SMn2 |
SMn438 | SMn438 | SMn3 |
SMn443 | SMn443 | - |
スポンサーリンク