人造石仕上げとは
建材や墓石に多用される天然の花崗岩(御影石)や、内装に良く使われる大理石にかわり、人造石も普及しています。一口に人造石といってもその種類や性質はかなり多岐にわたります。最終的な仕上げは研磨に頼ることが多いため、やはりダイヤモンド砥石やダイヤモンド工具の出番になりますが、人造石の素材が何かという点は加工前によく見ておく必要があります。実際には、人造石がどういったものかはわからないことが多いため、目立たない端のほうを少し加工してみて様子を見る方法が一般的ですが、率直に言って、人造石の研磨加工は難度が高い部類のものです。人造石の仕上げのレベルや種類にもいろいろありますが、影や曇り、砥石の通ったあとであるツールマークなどがあれば当然NGとなります。天然のものに比べると、この辺の問題が出やすいのも人造石の種類によっては見受けられます。
人造石仕上げといった場合の多くは、床や壁などに天然の小石や砂利やセメントをまぜあわせて施工していくものを指しています。これらはテラゾーもしくはTerrazzoと呼ばれるもので、あくまで人造石の一形態です。他にも、エンジニアリングストーン、石英石とよばれる天然のクォーツ(石英)の粉末をふんだんに用いた人造石があり、これらは耐熱性や耐火性、表面硬度に特に優れたものとして世界各国のメーカーから売りに出されています。80%から97%もしくはそれ以上の石英を含有したものもあります。
海外では特に石材が建築物の内装、外装によく使われるという風習もあり、こうした石材の風合いを保ちつつも、天然石材のもつ弱点を補ったものが広まりつつあります。天然の石材は磨きこめば鏡面のようになり、粗く仕上げても自然の風合いを出したりすることができますが、表面にポーラス(気孔があいている)という構造上、風化や劣化については常に進行する素材です。また、キッチンなどで用いる場合には油や酸性、アルカリ性の液体などに触れる機会も多く、こうしたものに天然の石材はかなり弱いという難点がありました。
人造石はこうした問題を解消できるものとして、用途に応じていくつかの種類のものが作り出されてきました。基本的には、天然の素材や樹脂などの粉末を、高圧で圧縮したものです。天然石材の持つ組織上の穴は極力少なく抑えられており、この点は「吸水率」という水をどれだけ吸うのかという指標で見ることができます。
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