ダイヤモンドとCBNの違いについて

2009年9月21日更新

ダイヤモンドとCBN(ボラゾン)はそれぞれ工具などに使われる物質として一般砥石に使われる砥粒に比べてはるかに硬い材料です。

ダイヤモンドは天然のものもありますが、CBNは天然には存在しない合成物質で、立方晶窒化ホウ素とも呼ばれます。工業用に用いられる多くのダイヤモンドも人工的に作られたもので、CBNとともにに高温・高圧をかけて作られます。

双方とも、砥石に使われる砥粒としては、「破砕性」や「形状」「耐磨耗性」が考慮されます。グレードも各種あり、用途にあわせて使い分けられています。

CBNがよく使われる局面は、研削対象が「鉄」を含んだ素材の場合です。ダイヤモンドと鉄素材との相性が悪く、鉄鋼関係の素材にはCBNが多用されています。

常温ではダイヤモンドのほうがCBNよりも硬いですが、高温下ではダイヤモンドの硬度が低下するため、CBNのほうが硬さに優れます。CBNは特定条件下では1300℃まで耐熱安定性を持つと言われます。

使い分けのポイント

研削する素材によって、ダイヤモンドがよいかCBNがよいかが決まります。ダイヤモンドが使える局面では、より硬さに優れるダイヤモンドを用いたほうが研削の効率はよくなりますが、CBNの特性が発揮されるようなワークに対してはCBNを用いることでより効率的な研削加工が行なえます。

どちらが優れている、というよりはワークにより使い分けることで砥石の効果を最大限発揮することができます。

砥粒としての性能には、破砕性のほか、形状も影響しますがダイヤモンドとCBNでは若干形状が異なります。

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