チャンピオンデータとは
チャンピオンデータとはある製品や材料を測定したときに、通常は出ないような非常によいデータの意味として使われることがある用語で和製英語ですのでこれ自体が日本語です。海外でそのまま使っても通じませんので注意を要します。自分たちの都合の良いデータが出るまで何度も測定や実験を繰り返し、低い確率でたまたま出たデータのことの意味でも使われることがあります。
測定上のもっともレベルの高い状態、スペックの上限のような意味合いで使われることもありますが、基本は「まぐれ」で出ることがある最高のデータの一つで通常はあまり出ないデータであり、不正研究と絡めて意図的にこうしたデータを選りすぐって行うことの問題点が指摘されることもあります。例えば100回データ取りをして、都合のよかった3回分だけのデータを使ってそれを実験データとして使うというような不正の一種もあります。
工業製品や材料分の多くは仕様やスペックが定められており、納入する上で製造元が保証する値や仕様は「保証値」と呼ばれます。納入仕様書や図面には保証することができる値の範囲を具体的に記載して、売買条件の一種としていることも多々あります。一方で、カタログや一部の研究では過去に実測されて最良の結果が出たときのデータが使われることがあり、これがチャンピオンデータということになります。
実測されて過去に出たデータであれば「嘘ではない」となりますが、1000回に1回しか出ないようなものであれば工業製品としてその値を使って設計や品質を担保することはとうていできませんので、詐欺と言われても致し方ないところがあります。
「このような値が出ることもありますが、気休めです」程度の参考情報として提示されることはありますが、こうしたイレギュラーなデータをあたかも保証値であるかのようにして提示するのはルール違反の一つとも言えます。
もっともチャンピオンデータを知っておくことは、検討段階では必要という意見もあり、データがどの頻度で出るものなのか、という点を明確にしていればさして問題とされることもないといえます。
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