ダイヤモンドの作り方
ダイヤモンドは天然に存在する鉱物ですが、工業的に用いられるものの多くは人工的に作り出されたものです。ダイヤの作り方は、一言で言えば、「炭素(C)」に高温と高圧をかけるというものです。
シリンダとピストンで挟み込まされた反応室と呼ばれる小さな直方体状の空間に、黒鉛と触媒をいれ、温度と圧力をかけていきます。
このとき、かける温度と圧力によってダイヤモンドの形状が変わります。また、使う触媒(溶媒金属)によっても、ダイヤモンドの合成に必要な温度と圧力が変わってきます。
工業的に使うダイヤモンドの場合、合成する際に使った触媒によっても、破砕性と靭性が変わることがあります。というのも、ダイヤの中にごく微量、触媒に使った金属が残留しますが、これらの熱膨張率が違うため、種類や残留の量によってダイヤの物理的な性質である破砕性が影響を受けることになります。ダイヤモンドホイールなどの高速回転させて使う工具では、ダイヤモンドにかかる熱も大きなものになります。この高温下で、ダイヤの内部に残留した触媒が膨張し、ダイヤの破砕を促しますが、この程度によって「切れ味」や「寿命」といった工具の性能に影響を与えてくるわけです。
参考までに、触媒(溶媒金属)によって、ダイヤモンドを作るのに必要な圧力と温度は以下のように変わってきます。
触媒、溶媒金属の種類 | 圧力(kb) | 温度(℃) |
---|---|---|
インコネル | 45 | 1150 |
コバルト | 50 | 1450 |
ニクロム | 51 | 1450 |
ニッケル | 55 | 1460 |
マンガン | 57 | 1500 |
鉄 | 57 | 1475 |
ロジウム | 63 | 1700 |
白金 | 70 | 2000 |
クロム | 70 | 2100 |
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