砥汁について
砥石を使って何かを研磨したり、研削したときに出る液体のことで、加工対象から削られた粉状のものと、研削時に使っている水や油などの切削油、研磨によって削られた砥石の構成物質が混じり合ったものです。研磨をよく行う業界でも「砥汁」という言い方をしない場合もあります。
ラップ研磨などを想像するとわかりやすいと思いますが、この砥汁にも脱落もしくは破砕した砥粒が含まれているため、研磨をする力があります。この砥汁の多さや濃さなどによって研磨の状態を判断したり、水の量を調整したりするバロメータにもなる指標です。仕上げ間近では、水の量(潤滑液)を減らしたほうがよい加工対象もあります。砥汁は、破砕した砥粒の大きさが一定ではないので、加工中は砥石とワークとの間にあまり滞留させておかないほうがよいという考え方もあります。
これらはそのまま排水に流すことはできません。所定の工業排水等と同様に、濾過して廃棄する必要があります。猛毒というわけではありませんが(加工しているワークによっては高い毒性を持つこともありますが)、ダイヤモンドやセラミックスの破片に各種液体、加工対象の物質等を複合的に含有する液体であり、廃棄方法もそれに則ったものであることが求められます。
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