コンクリートが硬化する原理

2011年8月18日更新

コンクリートは、セメント、水、細骨材、粗骨材、混和剤を反応させて作ります。より厳密には、コンクリートは水和反応といって、セメントと水が反応し、ガラス質の結晶ができることで硬くなる素材です。セメントは質量の40%もの水と反応して結晶を作っていきます。よく誤解されているように乾燥によって硬くなるわけではありません。水が少ないと硬いコンクリートができるのは、より緻密なガラス結晶ができるからで、水が足りないと逆に反応しなくなったり、流動性が悪くなるため、実際には必要な水よりも多めに添加されています。

コンクリートは、前述の通り、水とセメント、骨材で主に構成されていますが、混和材料を加えることでコンクリートの性質そのものを変えて利便性の良いものに変えることができます。例えば、コンクリートは打設してから一定の養生期間が必要ですが、混和材料を添加することで硬化時間を早めることもできます。反対に夏場などで硬化がはやすぎて困る場合は、硬化を遅延させるものもあります。また、コンクリートが反応する際に必要される水を最小限に抑え、より強靭で精度の高いコンクリートを作ることができるAE減水剤と呼ばれるものもあります。

コンクリートにも強度は様々なものがあります。コンクリートの硬化の反応は、化学反応であり、温度によって変わることから、同じ構成成分のものでも違いが出てきます。この辺りは金属などの規格材とは大きく違うところと言えます。

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