リムド鋼
鉄鋼材料の原料となる鋼の一種で、従来はSS材(一般圧延鋼材)の鋼板(板厚12mm未満)、線材、薄板などで使われてきました。脱酸の度合いはキルド鋼に劣りますが、キルド鋼よりも歩留まりが良く、純鉄に近い成分を持つ部分もあり、見た目(表面の肌)がきれいな鋼です。脱酸剤としては、フェロマンガン、少量のアルミニウムなどを使い、沸騰撹拌(リミングアクション)しながら凝固させたものです。ただ、塊の中央部に特定の元素(P、C、S)が偏ってしまう傾向(偏析)があり、周辺部にも気泡ができる傾向があるため、厚めの板では使われず薄板などのみに使われてきました。連続鋳造法の確立後は、キルド鋼の歩留まりの問題等が解消され、ほとんどの鉄鋼材料はキルド鋼にシフトしていったという経緯があります。リムド鋼やキルド鋼が使い分けられていた時代は、完成品の鉄鋼材料につきSiの含有量によってどちらが出発材料なのか判別することも行われていました。
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