トルクとは
トルクの単位が、モーメントと同じようにN・mやN・mmが使われていることからも推察できる通り、トルクとはねじり方向の力のモーメントのことです。力のモーメントとは、ものを回転させようとするときに力が働いている状態のことをいいます。言い換えれば、「ねじる力の強さ」や「回転力」のことでもあります。
英語でもtorqueと表現されるので、これがそのままカタカナ読みになっています。
エンジン分野でもよく使われる用語ですが、加工技術の分野でも回転体をよく使いますので、機械工学がかかわるところでは何らかの形で接点のある用語といえます。
砥石などの高速回転を前提にしている工具類には、これらを装着して使うための研磨工具や研磨機、工作機械が必須となりますが、いずれも回転砥石を取り付ける軸が高速でまわることで、研磨や研削を実現可能にしているものです。砥石を軸に取り付けて加工対象にあてれば、大きな抵抗が発生しますので、このときに捻り方向にどれだけの「トルク」が出せるのかによって研削や研磨で発揮可能な力が変わってきます。
もっとも、研削抵抗が過度にかかると、トルクの上では問題がなくとも、ワーク(加工対象)が損傷したり、砥石が焼けてしまったりすることもあるため、研削・研磨の分野ではこうした点にも気を配っていく必要があります。