真空計の種類
高いレベルの真空度を実現し、それを維持するには真空計の存在が欠かせません。成膜などの真空環境が薄膜の品質に影響するような場合、真空計の適切な使い分けが大切になります。成膜は真空を管理できなければ品質を維持できない製造プロセスともいえます。
真空計には、チャンバー内(測定対象となる空間内)のすべての気体の圧力を測定する「全圧真空計」と、気体の種類ごとに分圧を測定する「分圧真空計」があります。全圧真空計は全体の圧力のみを測定するため、気体の種類ごとの値などはわかりません。分圧真空計は質量分析計ともいわれますが、気体の種類それぞれの分子量の圧力を測定するものです。
それぞれの真空計は計測可能な圧力の範囲が決まっているため、1台で大気から高真空・超極真空まで計測できるものは存在しませんが、ひとつの端子に複数の真空計を取り付けた複合真空計は、原理上、2台の異なる真空計となりますので、測定範囲を2台分にすることもできます。
全圧真空計の種類
測定方式がいくつかあり、大別すると、気体の「輸送現象」を計測するものと、気体の「電離現象」を測定するもの、機械的な現象を測定するものとに分かれています。
機械的現象を測定 | 隔膜真空計(ダイヤフラム真空計) | |
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マクラウド真空計 | ||
気体の輸送現象を測定 | ピラニ真空計 | |
スピニングロータ真空計 | ||
熱電対真空計 | ||
気体の電離現象を測定 | 電離真空計 | 熱陰極電離真空計 |
冷陰極電離真空計 |
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