A2024(超ジュラルミン)とは|JIS規格材の特徴と物性

2010年12月2日 2024年2月11日更新

A2024とはJIS規格材のうち銅を添加元素の中心とした高強度アルミ合金で、A2017(ジュラルミン)よりさらに強度が高く、切削加工性も同様に優れたアルミ合金です。超ジュラルミンとも呼ばれます。ただし強度のかわりに耐食性がやや低く、これを補う合わせ板として、表面に純アルミ系のA1230をはりあわせて耐食性を改善したA2024PCがあります。このA2024PCは合わせ板の材料記号です。航空機、スピンドル、ボルト、各種構造材料として使われます。

熱処理(焼入れ・焼戻し)により、アルミでありながら鉄鋼材に匹敵する強度を発揮します。航空機に用いられることからも、軽くて強いを体現したアルミ合金であることがわかります。

A2024の成分

2000番台の番号が付いているアルミはアルミ合金のうち、CuやMgを含んだ高強度型の熱処理合金に分類されます。

強度と引き換えに、耐食性に劣るため、用途によっては表面に耐食性に優れる高純度アルミを貼り合わせたクラッド材での使用が検討されます。

A2024(アルミニウム)の成分
合金番号 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ga, V, Ni, B, Zr等 Ti その他 Al
個々 合計
A2024 0.50以下 0.50以下 3.8から4.9 0.30から0.9 1.2から1.8 0.10以下 0.25以下 - 0.15以下 0.05以下 0.15以下 残部
A2024PC(アルミニウム合わせ板)の成分
合金番号 合わせ材 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ga, V, Ni, B, Zr等 Ti その他 Al
個々 合計
A2024PC(合わせ板) 心材 0.50以下 0.50以下 3.8から4.9 0.30から0.9 1.2から1.8 0.10以下 0.25以下 - 0.15以下 0.05以下 0.15以下 残部
皮材(A1230) SiとFeの合計0.70以下 0.10以下 0.05以下 0.05以下 - 0.10以下 V: 0.05以下 0.03以下 0.03以下 - 99.30以上

A2024の機械的性質(耐力、引張強さ、伸び、曲げ、疲れ強さ、硬度、ヤング率)

靭性を求める用途ではT4材が好まれます。他のアルミ合金同様、調質の内容で強度が大きく変わります。

鉄鋼に比べると熱に弱いという点はあるとしても、T4材よりもさらに強度を上げる調質を施したT361材は引張強度505MPaとなり、アルミ合金中でも最強クラスの強度を持ちます。

A2024の機械的性質
アルミ材料記号 調質 引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び率(板1.6mm厚) 伸び率(棒φ12.7mm) ブリネル硬さ(10/500) せん断強さ(N/mm2 疲れ強さ(N/mm2 縦弾性係数(×1000)(N/mm2
A2024 O 190 75 20 22 47 125 90 75
A2024 T3 490 350 18 - 120 290 140 75
A2024 T4, T351 430 330 20 19 120 290 140 75
A2024 T361 505 400 13 - 130 295 125 75

AA規格、ISO規格、EN規格、ASTMでの相当材、類似材料

A2024Pの他規格での相当材としては下表のものがあります。

A2024Pの相当材
規格名称 材料記号
AA 2024
ASTM 2024
EN EN AW-2024
ISO AlCu4Mg1

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