レンガの種類と強度、吸水率

2012年12月23日更新

レンガ(煉瓦)は、主に粘土や泥などを高温で焼き固めたセラミックス材料の一つで、焼き物でもあります。建築材料として使われるほか、花壇や庭にも装飾用途でよく使われる素材で、一般的には長方体の大きさで、人が手で積んだりできるサイズになっています。

レンガは積み方によって荷重の分散が可能で、歴史上残っている建築物にもレンガが使われているものがあります。例えば、イギリス積み、フランス積み(フランドル積み)、オランダ積み、小口積み、長手積みなどです。

レンガの切断や研削、研磨などはたいていはダイヤモンドブレードやダイヤモンドホイール、研削砥石が使われます。耐火物全般に言えることですが、こうしたセラミックス質の素材は硬く、能率的に切ったり削ったりする場合はダイヤモンド工具が適しています。

種類としては、目的によってJISでも規格が定められており、以下のようなものが知られます。

主なレンガの種類
レンガの種類 特徴
普通レンガ オーソドックスなレンガで、特に指定がない場合はレンガといえばこのレンガのことを指します。
建築用レンガ 主に外壁などに使われることを想定した高い強度を持つ吸水率の低いレンガです。
耐火レンガ 耐火性1000℃以上を活かし、暖炉や煙突、窯など、耐火性能が要求される部分に使われるレンガです。
空洞レンガ 音や熱の遮断目的や、軽量化、装飾目的で作られるレンガです。
セメントレンガ・スラグレンガ セメントモルタルなどで作られたレンガです。

レンガの寸法は実は基本形として定められており、長さ210mm x 幅100mm x 厚さ60mmとなっています。この普通レンガのことをおなまともいいます。これを基本に、縦半分に割ったものを「ようかん」、それをさらに横に切った「半ようかん」、七五、半ます、ニ五など大きさによって独特の呼び名があります。

なお、普通レンガの物性としては以下の通りです。

普通のレンガの強度と吸水率
物性 2種 3種 4種
吸水率(%) 15以下 13以下 10以下
圧縮強度(N/mm2 15以上 20以上 30以上
  

レンガは構造材として使う場合、積み上げて構造を作っていくため、どうしても強度に難があり、特に地震などには耐性がなく、現在では建築物そのものというよりはその外装の装飾用途に使われることが多くなっています。

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