トヨタにおける平準化の意味|平準化を英語で言うと

2017年2月20日更新

平準化の読み方は「へいじゅんか」となりますが、自動車業界では特にトヨタとの取引のある会社ではとても馴染み深い考え方のひとつです。ちなみに平準化を英語で言うと、LevelingやLeveled production, Smoothed production, あるいはそのまま「Heijunka」と表記します。

平準化の意味

英語表現の「leveling」つまり「ならす」という表現から見てわかるとおり、これはある一定の期間内に生産する量を均一に、つまり平均化してならすことを意味します。一ヶ月のうち、20日の稼働日があるとして、月間に生産する量が2000個だった場合、平準化した生産を行う場合、毎日100個ずつ生産することになります。これをたとえば、月初の週に毎日400個ずつ作っても月間の生産量は2000個になるわけですが、月間で生産計画を立てる場合、これでは残りの3週に生産するものがなく、平準化とはなりません。

生産計画を立てる際には平準化というのは重要な考え方のひとつとなりますが、生産方式や稼動形態によっては必ずしも平準化すればよいというものでもないですが、1日に作ることができる数量は、生産能力として決まっているわけですから、それをオーバーする日の分をあらかじめ生産数の少ない日に作っておく「山崩し」という考え方はよく使われます。

この考え方の底流には、ジャストインタイム方式と呼ばれる、必要なものを必要な個数だけ必要なときに生産する、という考え方があります。これを実現するためには、部品や材料を供給するメーカー側の納入も、必要な個数を必要なだけ、必要なときに納入する必要があります。このため、平準化生産を進めている客先へ納入する部品メーカーも、生産を平準化する必要が出てきます。

基本的に余分な在庫は持たない、持てないというのが自動車部品業界の一般的な考え方ですが、なかには生産にリードタイムがかかるものや材料の調達ロットが大きい、調達に時間がかかるものなどは当然部品メーカー側で大量に在庫し、いつ注文がきてもいいように備えているというのが現実です。

注文をする側も平準化した発注を心がけ、生産する側も平準化生産を行うことで、サプライチェーンとしては極小の在庫ですみ、製造現場のムラ、ムリ、ムダをなくすことができるというものです。

トヨタにおける平準化

ただ、自動車業界の例で言えば、この考え方を文化にまで昇華させて運用しているのはトヨタ殿であり、他のメーカーについては完全にこのような方式にはなっていません。つまり、多くのカーメーカーと取引することになる自動車部品メーカーにとっては、自社の生産をすべて平準化にあわせるわけにもいかないため、ダブルスタンダードのような二重の基準が社内に存在していることになり、必ずしもこの平準化発注の恩恵を受けられるわけではありません。

平準化をすすめているトヨタ殿の仕入先に対する発注というのは非常に安定しており、仕入先にとっても生産計画が立案しやすく、これに慣れてしまうと他メーカーの対応が難しく感じるほどです。もちろん、急増や急減などの特殊な事情のあるケースもありますが、原則、三発内示ともいわれる3ヶ月先までの発注予定数を示す内示情報が事前に展開され、前月からの数字の振れというのも大きくありません。三発内示が大きく振れたり、乱高下するような場合、部品メーカー側では欠品して客先の生産ラインが止まることを防ぐため、大量の在庫を前もって準備し抱えることになりますが、平準化がすすんでいる客先では振れが小さいため、そうした懸念もほとんどないということです。

業務の平準化の必要性

また、自動車業界以外でもこの平準化という用語は、「業務の平準化」といった形で、月間の残業時間がある週にだけ多いのであれば、全体をならすことで業務の負荷を「平均化」して、結果的に業務効率を向上させるという考え方もだいぶ浸透してきています。平均化と近い意味を持ちますが、ある期間内の量を総合的に平均化して、業務レベルや生産レベルの山や谷を崩してならすという部分まで含む意味として使われます。平準化生産についての話だけでなく、この考え方は事務工数の話としてもよく使われます。たとえば、月の決まったときにだけとても忙しくなるような事務業務があったとして、それを平準化する方法を検討する、というような使われ方です。

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