とくさい(特採)とは何か

2017年2月13日更新

品質管理上は、NG判定される製品であっても、後工程で手直しすることを条件としたり、あるいは実用上問題のないものについて「特別採用」つまり合格品とすることを「とくさい(特採)」と称呼しています。これは自動車部品業界に限らず、多くの工業分野でも同様の制度を持つことが多く、意味もほぼ同じように使われています。

工業製品の検査基準というのはきわめて厳格に用いられており、特性であったり、寸法であったり、何らかの「基準」を設定し、その基準内に当てはまらないものは「不良」となり、良品として出荷することが出来なくなります。

ただこの基準にも業界にもよりますが、何らかのバッファーが設けてあることが多く、その値を少しでもオーバーしたり、満たなかったら即性能に影響する、というわけではないものもあります(もちろん、数値の範囲内に入っていることが絶対必要なものもありますが)。

こうした場合、多くは技術部門や品質管理部門の判断で、検査のうえでは不合格となる製品でも、特別に採用するということが行われることがあります。これにも無条件でそのまま使えるという場合から、条件付での使用可の場合と二通りのケースがあります。原則としては、前工程で適合しない製品であっても、後工程で手直しをするために本来の基準を満たすことができるので前工程の不具合品を採用するというような場合に使われるのですが、手直しなしで特採となる製品もあります。

そもそも「特採」が何度も必要な製品であれば、その後の検査基準を見直して緩めるなり、基準を変えるべきだという話になるため、「とくさい」が発生するのはあくまでその場限り、一時的なものというのが建前です。

基準をオーバーするたびに、「とくさい」して合格品にしていたのでは何のための検査基準かわからなくなりますし、本当の基準がどこなのかもわからず、生産活動に支障をきたすことになります。前述のとおり、前工程での不具合を後工程で挽回する場合のほうがコストや手間が少ないような場合には、「とくさい」扱いとなるというのが建前ですが、必ずしもこのように運用されているわけではありません。

実際、「とくさい」の制度を使用しないと顧客の生産スケジュールに間に合わないというような場合での判断や、そもそも図面上の基準が厳しすぎて製造上は実現が困難であることがわかった、あるいは性能には影響しない指標がなぜか厳しく規定されていたというような場合に使われることもあります。

試作段階のものや、量産前段階のものについても特採で、顧客の納入スケジュールを守るというようなこともあります。ただ、これらはあくまで最終的な製品性能に影響を及ぼさないということが前提としてあり、恒常的に特採が発生するというような状況はものづくりにおいては、あるべき姿とはかなり異なるものと言えます。

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