A7050とは|JIS規格材の特徴と物性

2024年2月24日更新

A7050とは、JIS規格に規定されたアルミ合金のうちAl-Zn-Mg系の高強度を特徴とするアルミのひとつです。アルミ合金中最強の強度をもつA7075の焼入れ性を改善した合金であり、耐応力腐食割れ性に優れています。航空機用部品の材料としても採用されています。

A7050の成分

Znはアルミ合金中の量が多いと凝固収縮量が増し、鋳造割れを生じさせりやすくなります。ただしMgと共存することで析出強化を示します。

A7050の成分
合金番号 Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ti その他 Al
個々 合計
A7050 0.12以下 0.15以下 2.0から2.6 0.10以下 1.9から2.6 0.04以下 5.7から6.7 0.06以下 0.05以下 0.15以下 残部

A7050の機械的性質(耐力、引張強さ、伸び、曲げ)

高い強度を誇りますが、反面、錆には弱くなりますので実用上は表面に耐食性の高い別のアルミ合金を合わせ板としてつけたものがよく検討されます。

A7050の機械的性質
アルミ材料記号 調質 引張強さ(N/mm2 耐力(N/mm2 伸び率(板1.6mm厚) 伸び率(棒φ12.7mm) ブリネル硬さ(10/500) せん断強さ(N/mm2 疲れ強さ(N/mm2 縦弾性係数(×1000)(N/mm2
A7050 T7451 535 480 - 10 - 310 - 73
A7050 O 230 105 17 16 60 155 - 73
A7050 T6, T651 585 515 11 11 150 335 160 73
A7050 O 合わせ板 225 100 17 - - 155 - 73
A7050 T6, T651合わせ板 535 470 11 - - 325 - 73

AA規格、ISO規格、EN規格、ASTMでの相当材、類似材料

A7050FDとA7050FHの他規格での相当材としては下表のものがあります。

の相当材
規格名称 材料記号
AA 7050
ASTM 7050
EN EN-AW-7050
ISO

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