ダイヤモンドパッドの用途や使い方

2010年10月2日更新

ダイヤモンドを研磨材として用いるようになったのは、今から数十年前、合成ダイヤモンドの製造が本格化したのとほぼ同じ時期といえます。それ以前は、工業用の研磨材といえば、炭化ケイ素や酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化セリウムが砥粒としては一般的でした。また現在でも使われている天然にある岩石などから作り出す天然砥石や、こうした自然に存在するものを活用した研磨も行われていました。

ダイヤモンドパッドの様々な形態

「ダイヤモンドパッド」とは端的に言えば、「研磨」を行う部分にダイヤモンドの砥粒を用いたものですが、使われる業界によって指し示すものが異なることがあります。

一般に精密加工のダイヤモンド砥石の代表格であるダイヤモンドホイールなどに比べるとダイヤの量は極端に少なく、反面誰でも扱え、研削盤ほどの高速回転を前提に作られているものではありません。より生活に身近な用途で使われるダイヤモンドパッドは、DIYの一カテゴリーとして確立された工具の一つとも言えます。

また半導体ウエハを研磨する工程で、CMPパッドコンディショナーと呼ばれるダイヤモンド工具が使われます。高精度の平坦度が要求される半導体用のウエハは、専用の台の上で液体研磨剤(スラリー)を使って磨きますが、その台の上に乗せてあるパッドの平坦度を維持するために用いるのがこのダイヤモンドパッドコンディショナー(もしくはCMPコンディショナ、CMPパッドコンディショナーともいいます)です。これを略して「ダイヤモンドパッド」と呼ぶこともあります。これは一般に使われるダイヤモンドパッドとは大きく異なり、ダイヤモンドが脱落しにくく、位置や形状までしっかり決められて配列されている特殊な工具です。

どのような使い方をされるか

家庭用としては、風呂場や洗面台の鏡、ガラスについた水垢やうろこを落とすのによく使われます。 なお、何かを「研磨する」ということはその対象の表面をミクロレベルで削りながら細かいキズをつけていく作業でもありますので、粒度(砥粒の粗さ)や、その砥石の用途には使用前によく確認する必要があります。

また、電動ポリッシャーなどの回転工具に取り付けて、建材、石材、タイル、床などを磨くタイプのダイヤモンドパッドもあります。こちらはどちらかといえばプロユースで、円盤状で厚さ数mmのものがよく出回っています。現在は、中国製や韓国製のもので廉価なものも出回っていますが、ダイヤモンドが入っているだけに、一般の研磨紙などに比べると価格は高くなります。

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