砥石に水を使うのはなぜ

2011年11月22日更新

砥石は対象を削る作用を持つ工具です。磨くことで鏡面状態に仕上げる砥石も、多かれ少なかれこの削る作用を持っています。砥石でなぜものが削れるのか、磨けるのかと言えば、その表面から刃に相当する砥粒が多数突き出しているからです。

一般的な砥石は、次の三つの要素、砥粒、ボンド、気孔から成り立っていますが、削る作用を持つ砥粒は、砥石が減るとともに自身も摩耗して下にある砥粒に次々と生え変わっていくという性質を持ちます。他の工具との大きな違いは、砥石は減ることで切れ味を保つという点です。砥石の切れ味を保つためには、砥石が適度に損耗しなくてはいけませんが、他にも種々の条件が影響してきます。

水を用いるのは、砥石の切れ味や損耗具合を適度に保つことで、その役割は概ね以下の通りです。

  • 滑りをよくして研磨性能を上げる
  • 冷却して砥石の性能を十分に発揮させる
  • 切り屑を洗い流しつつ、目詰まり等を防ぐ

物体を削る際には、砥石の砥粒と加工対象が接する部分があります。この部分は高速回転させるものであれば高温となります。こうした高速回転を前提とした機械研磨では、あまり水を使わず、様々な物質を添加して付加価値をつけた研削液が使われまずが、求める効果は上記と大差ありません。

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