研削砥石の種類についておしえてください
研削盤やグラインダーで使う砥石
研削盤に用いる砥石は、大きく二種類の砥石、研削砥石とダイヤモンドやCBNを使った超砥粒ホイールがあります。両者はたいていの場合、同じ研削盤や工作機械で使われることが多いのですが、砥石の仕様、表示方法や性質など異なる点が多々あります。
研削砥石は世界的に見ると、日本のものはかなり高品質なものが出回っているといわれています。ダイヤモンドホイールやCBNホイールが使われるようになってからも、加工の種類によっては研削砥石だけで加工を続けられるところもあります。なお、研削砥石を研削盤などで使う場合、安全衛生法によって規程されている通り、自由研削砥石の特別教育を受ける必要があります。砥層と台金が分離しているダイヤモンドホイールと違って、全体が砥層で作られている研削砥石は、扱い方を間違うと大事故につながりますので、注意が必要です。
なお、センター穴についている紙ラベルは飾りではなく、取り付けに不可欠な大切なラベルですので、剥がさないで使います。
研削砥石の種類は、以下の5つの仕様の組み合わせで決まります。なお、メーカーによっては以下の仕様以外のものも製作していますので、詳しくはこちらの「砥石メーカーのリンク」から各社サイトをご覧ください。
研削砥石の種類を決めるパラメータ
ボンド
研削砥石に使われるボンド(結合材もしくは結合剤)はダイヤモンドホイールとは若干異なります。主として、レジン系とビトリファイド系、マグネシア系、ゴム系の四系統あります。メーカーによっては混合タイプのものもあります。
- レジン系:レジノイドボンド、ビニール(PVA:ポリビニールアルコール)、シェラック(天然樹脂)などの樹脂系ボンド
- ビトリファイド系:セラミックス質のビトリファイドボンド、水ガラス(ケイ酸ソーダ)主体のシリケート等。
- マグネシア系
- ゴム系
表記記号 | 意味 |
---|---|
V | ビトリファイド結合剤 |
R | ゴム結合剤 |
RF | 繊維補強付ゴム結合剤 |
B | レジノイド結合剤 |
BF | 繊維補強付レジノイド結合剤 |
E | セラック(シェラック)結合剤 |
MG | マグネシア結合剤 |
PL | 熱可塑性有機質結合剤 |
砥粒
研削砥石は一般砥粒といわれるセラミックス系の砥粒を使います。合成ダイヤモンドによる砥石が誕生するまでは実用上、最も硬い砥粒でした。
表記記号 | 意味 |
---|---|
WA(白色アルミナ) | 切れ味よく焼き入れ鋼、工具鋼と相性よい |
A(褐色アルミナ) | アルミナ系の基本形 |
HA(解砕型アルミナ) | 単結晶型のアルミナでステンレスや合金鋼によい |
PA(淡紅色アルミナ) | アルミナの中では靭性大きく、特殊鋼によい |
GC(緑色炭化ケイ素) | 硬く発熱を嫌う材料によい |
C(黒色炭化ケイ素) | アルミナ系より破砕性に優れ、硬い |
Z(アルミナジルコニア系) | A砥粒よりも破砕性に富み、粘り強い |
粒度
JIS規格のうち、JIS R 6001:1998が研削砥石の粒度について規程しています。これは国際規格のISO 8486-1とISO 8486-2に準じたものになります。二種類以上の砥粒を混合する場合は、主体となる砥粒番号のみ表記します。
粗粒 | F4 F5 F6 F7 F8 F10 F12 F14 F16 F20 F22 F24 F30 F36 F40 F46 F54 F60 F70 F80 F90 F100 F120 F150 F180 F220 |
---|---|
一般研磨用の微粉 | F230 F240 F280 F320 F360 F400 F500 F600 F800 F1000 F1200 |
精密研磨用の微粉 | #240 #280 #320 #360 #400 #500 #600 #700 #800 #1000 #1200 #1500 #2000 #2500 #3000 #4000 #6000 #8000 |
旧規格であるJIS R 6001:1987も依然よく使われます。以前の規格では、研削砥石の粒度は8番から8000番まであります。参考までに研削砥石で使われる粒度は次の通りです。8、10、12、14、16、20、24、30、36、46、54、60、70、80、90、100、120、150、180、220、240、280、320、360、400、500、600、700、800、1000、1200、1500、2000、2500、3000、4000、6000、8000
関連用語:二次砥粒
結合度
結合度はAからZまでの26段階で、Aに近いほど研削砥石のボンドはやわらかくなります。Z側に近いほうが硬い結合度です。AやZなどあまり極端なものが使われるのは珍しいですが、適宜研削対象によって使い分けるのが望ましいです。
組織
砥粒の密度については「組織」といい、0から25までの26段階あります。 研削砥石の中に含まれる砥粒率は以下の通りです。
組織番号 | 砥粒率(%) |
---|---|
0 | 62 |
1 | 60 |
2 | 58 |
3 | 56 |
4 | 54 |
5 | 52 |
6 | 50 |
7 | 48 |
8 | 46 |
9 | 44 |
10 | 42 |
11 | 40 |
12 | 38 |
13 | 36 |
14 | 34 |
15 | 32 |
16 | 30 |
17 | 28 |
18 | 26 |
19 | 24 |
20 | 22 |
21 | 20 |
22 | 18 |
23 | 16 |
24 | 14 |
25 | 12 |
サイズ・形状
研削砥石の形状は、ドーナツ型の平形が大半を占めます。サイズは外径x厚さx穴径の順番で表記します。形状については1号から37号までJIS規格により定められています。ちなみに1号は平形です。
形状 | 砥粒の種類 | 粒度 | 結合度 | 組織 | ボンドの種類 | ボンド細分記号 | 最高使用周速度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1号 | A | 36 | L | 5 | V | 23 | 33 |
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