切削液が腐敗して困っています

2009年9月14日更新

水溶性切削油剤は、水で希釈して用いるため、バクテリアやカビが発生してしまうタイプのものがあります。夏場など特に温度が上昇する環境や、風通しの悪いところに収納されることが多いため、切削液から腐敗したような異臭がするという話はよく耳にします。

対策としては、防カビ剤・抗菌剤などがあらかじめ入っている腐敗しにくいタイプの液を使うほか、水で希釈するときの濃度管理も重要です。切削液の濃度は、研削性能にも影響する要素ですが、これが薄すぎると腐敗の原因にもなります。また新しい液を使う前に、古い液が残留していると思われる箇所の清掃や殺菌もバクテリアの発生を抑える上では効果的です。またpHを調整して細菌の増えにくい状態にするなどの方法も考えられます。

水溶性で無くともかまわない場合には、油が主成分で水で薄めずに用いる不水溶性切削油剤に変えるという方法もあります。対策をしてもあまり改善が見られない場合、一度切削油剤メーカーに相談してみるのもよいかと思います。

スポンサーリンク

>このページ「切削液の腐敗について」の先頭へ

砥石Q&A一覧へ戻る

切削液の腐敗についての関連記事とリンク

不水溶性切削油剤の組成についての関連記事とリンク

研削液(研削油)の役割は何ですか?
水溶性切削油剤の種類について
不水溶性切削油剤の組成について

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集