ガラスのチッピングで困っています

2011年2月5日更新

研磨や研削中に加工しているガラスの縁などが小さく欠けてしまう「チッピング」は、ガラス加工の中でも頭を悩ませることの多い現象の一つです。加えて、今日では携帯電話の画面やiphoneなどのスマートフォンの画面などディスプレイをはじめ、かなりの要求精度が求められる加工が増えてきています。従来は問題のなかったほんのわずかなチッピングも、こうした要求精度向上に伴ってNG判定となり、不良率が極端に上がってしまう等の問題は様々な分野で起きています。

固形の砥石を使ってガラスを研削、研磨する場合はそのほとんどが面取りに相当する加工や端面の研磨になるかと思います。中にはバーチカル型で、ドーナツ状の砥石の外周ではなく端面部を寝かせてガラス表面を研磨する場合もありますが、これはガラスの表面の膜を剥がすとか特殊な用途で使われることが多いです。

端面部では、わずかに条件が合わないだけでもチッピング、ハマ、ピリといったガラスが欠ける現象がおきますが、これはガラスが硬脆材料であると言った点とも深いかかわりがあります。表面を削るという加工は、抉ることとほぼ同義でもあり、粘っこい材質でもない限り、ワークがごっそり落ちてしまうこともあります。ガラスの場合はキリコが粉になりますが(微小加工の世界ではこうならないこともあります。切り込み深さによります)、砥粒が深くガラスに食い込み過ぎてしまえば、キリコが粉とならずにチッピングとなってしまいます。

一般に、この現象が起きたときには砥石が原因なのか、機械の振れや加工条件が原因なのか、直接的な原因を探る必要があります。多くは複数の要因が重なっています。チッピングもハマ欠けもその対策法は発生原因は似ていますので、「ガラスのハマ欠け(ピリ欠け)の原因と対策」のページも参考になるかもしれません。

スポンサーリンク

>ガラスのチッピングについての先頭へ

砥石Q&A一覧へ戻る

ガラスのチッピングについての関連記事とリンク

用途解説:チッピング
ガラスのハマ欠け(ピリ欠け)で困っています。
ガラス研削・研磨用ダイヤモンドホイールについて

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集