銅合金の質別記号について
金属はもともと持っている成分・組成によってそれぞれ性質が異なりますが、熱処理や加工によって金属組織が変化し、さらに多様な性質や機械的強度を持つようになります。銅合金の番号の末尾についているアルファベットはこの調質の種類をあらわしており、それぞれ以下のような状態を示しています。同じ成分を持つ金属であっても、この調質が違えば、物性は変わります。銅の場合は特に力を加えることで金属組織が固くなっていく「加工硬化」を利用して材料の強度を調整することが多いです。
質別記号 | 内容 |
---|---|
F | 製造されたままの状態のものを指し、特に熱処理や加工硬化をしていないもの。 |
O | 通常、完全焼きなまし状態のものを指す。引張強さの値が最も低くなることからゼロとの名称がついている。 |
OL | 焼きなましか、軽い加工を施したものでゼロ−ライトの略。 |
1/8H | 引張強さが上記の0材と下記の1/4H材の中間となるように加工硬化処理されたもの |
1/4H | 引張強さが1/8Hと1/2Hの中間となるよう、加工硬化処理がなされたもの |
1/2H | 引張強さが1/4Hと3/4Hの中間となるよう、加工硬化処理がなされたもの |
3/4H | 引張強さが1/2HとHの中間となるよう、加工硬化処理がなされたもの |
H | 引張強さが3/4HとEHの中間となるよう、加工硬化処理がなされたもの |
EH | 引張強さがHとSHの中間 |
SH | 引張強さが最大になるよう加工硬化処理されたもの |
SR | ひずみ取りのための熱処理を行ったもの |
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