砥石のあたり

2010年6月26日更新

研磨や研削を行なうときに、砥石が加工対象に触れたときに感触のことを言います。「あたり」が硬いというときは、砥石の粒度が細かすぎる、ボンドが硬すぎる、切り込みが深すぎる、砥石の外径が大きすぎる、回転が速すぎるなどの理由が考えられます。

研削盤を使うときにはまずはこの感覚を磨き、自分なりの感覚をつかむところから始めます。

研削や研磨の作業時には、このあたりの他、加工時の音などで砥石の良し悪しを判断することもあります。仕事をこなしていくうちに、よく切れている時の音や「あたり」とそうではないときでは、かなり感覚に違いが出てきますので、加工時には注意を払っておくべき大切な指標です。 NC機による研削などではあまり耳にすることもありませんが、研削盤を用いる場合は加工者の経験によって、この「あたり」から砥石の良し悪しやそのワークや加工条件に対する向き不向きも判断できる場合があります。焼けや目詰まりなどの問題も、あたりの善し悪しで予測がつくことすらあります。砥石のライフや切れ味にもつながる重要な情報の一つと言えるでしょう。

粒度やボンドの結合度、ボンドの種類を変えることでも砥石の「あたり」は大きく変わります。

このサイトについて

当サイトの記事はすべて工業製品のメーカーの実務経験者が執筆しています。

砥石メーカーの製品や技術を紹介するサイトとしてはじまりましたが、加工技術・工具・研削・研磨に関わる情報から派生し、ユーザーの問い合わせに応じて鉄鋼、非鉄、貴金属、セラミックス、プラスチック、ゴム、繊維、木材、石材等製造に使用する材料・ワークの基礎知識についても掲載するようになりました。その後、技術情報に限らず、製造業で各分野の職種・仕事を進めるうえで役立つノウハウも提供しています。

製造、生産技術、設備技術、金型技術、試作、実験、製品開発、設計、環境管理、安全、品質管理、営業、貿易、経理、購買調達、資材、生産管理、在庫管理、物流など製造業に関わりのあるさまざまな仕事や調べものの一助になれば幸いです。

工業情報リンク集

工業分野のメーカーや商社を中心に、技術、規格、ものづくりに広く関わりのあるリンクを集めています。工業製品の生産に必要とされる加工技術や材料に関する知識、マーケティングから製品企画、開発、販売戦略、輸出入、物流、コスト低減、原価管理等、事業運営に必要な知識には共通項があります。

研磨、研削、砥石リンク集