アップカット
例えば、平面研削などでワークを左から右へ送ったときに、上に取り付けたダイヤモンドホイールが半時計まわりに回転させる加工方式をアップカットといいます。工具の回転方向と、加工対象の回転方向や送り方向が反対になるカット様式です。この反対がダウンカットとなります。アップカットは砥石にかかる負荷(切れ刃となる砥粒への負荷)が大きく、研削抵抗も大きくなるため、研削点は高温になり磨耗や損耗も比較的大きくなります。砥石の切れ味が十分でないとビビリが出ることがあります。仕上げの面粗さはダウンカットに比べて粗くはなりますが、配分力が小さく、終端のチッピングなどは起きにくいです。砥石の場合、砥粒そのものに負荷がかかりますので、目つぶれに注意する必要があります。
アップカットやダウンカットといった砥石の回転方向は、加工対象の仕上がりに実際にはかなり影響しますので、あまり頓着されない方もいますが、加工がうまくいかないときはチェックに値する項目かと思います。