光沢度、光沢値とは

2010年6月26日更新

鏡面光沢度ともいいます。光の反射具合によって見るモノの表面の光り方(テカテカ光る)の度合いです。

研磨の目的は、工作物の表面を滑らかにすることですが、この際、面の状態を評価する基準としては表面粗さがよく用いられます。しかし、業種によっては表面粗さよりも「見た目」、「鏡面の輝き方」、「光沢の度合い」等を重視する場合があります。この場合、研磨後の仕上がりや鏡面状態の表面を見定める基準としてこの値が使われます。

表面粗さというのはあくまで物体の表面の凹凸を三次元的に表現した数値ですので、ピカピカとした光り方とは厳密には同一のものではありません。表面粗さのよいものは光沢度も高くなるものもありますが、対象の色も関係しますので、同じとは言い切れません。 多少の凹凸があっても高い光沢度が出せる素材はありますし、逆に材質によっては良好な表面粗さが得られていても、高い光沢値が出ないこともあります。

例えば、高級な御影石のフロアに対し、どのくらいの光沢があるのかを調べたりするのに使われます。こうした状況では、表面の凹凸がよくても、光沢が出なければ「鏡面」とはいえず、この指標が重宝される所以です。

また、光沢度計を用いることで、塗装した表面で、どの程度の光沢が出ているのか調べることができますので、塗料・インキの品質管理のほか、印刷物のチェック、プラスチックの表面や建材・石材・タイルの表面、ゴム、フィルム、テープなどの品質管理にも使われます。

光沢度は通常、80%のようにパーセンテージで表記され(JIS規格では%を省略することも可とされてます)、計測に用いた光沢度計のメーカーや型番なども併記して、後々比較検討できるようにしておきます。

光沢度は、専用の計測機から計測対象へ赤外線などの光を照射し、それがどれくらい反射して戻ってくるのかを表した数値ですから、対象の材質によっても値が異なることを念頭におく必要があります。

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