銀999、Ag999、SV999とは|純銀の刻印と特徴
銀の種類のうち、銀999、Ag999、SV999等と刻印表記されているものは純銀となります。銀の純度が99.9%以上のもので、999というのはパーセントの百分率に対して千分率であるパーミルで表記した場合の純度を示しています。
純銀は、銀の持つ性質のうち高い反射率や導電率から産業上は利用価値が高く、3N(99.9%の純度)のほか、4N(99.99%)グレードなども使われます。一方、ジュエリーや宝飾分野では純銀という響きはよいものの、加工するうえでは硬度が足りなかったり、変形しやすい、時間がたつと軟化してしまうなどの性質があるため、他の銀合金のほうがよく使われるという実情があります。
純銀は貴金属の中でも金属アレルギーを起こしにくく、体にやさしい金属としても知られますが、銀のアクセサリーでアレルギー反応を起こす大半の理由は、身に着けているものが純銀製のものではなく、銅やニッケルといった他の金属が添加されているためで、これらに反応してアレルギー反応を起こしてしまうケースが多いと言われます。
純銀であるAg999やSilver999はもともとがやわらかい金属で、ビッカース硬度でいえば30 HV前後の硬度しかありません。熱処理や加工硬化などの現象を利用し、硬化させていくと90 HV程度まではあげることができますが、時間がたつとまた硬度がもとのやわらかいものに戻ってしまう経時軟化と呼ばれる現象が起きます。
純銀を利用する際のネックとなるのがこの硬度の巻き戻しともいえる軟化現象と、硬い状態のままで維持することが困難という点です。もっとも、この硬度を維持する方法には主に2つの方法、固溶強化法、分散強化法が知られています。
純度が99.9%の銀であるにもかかわらず硬いものがありますが、これらは硬銀とも呼ばれるもので、ニッケルやマグネシウムといった元素を0.005%の微量添加されたものです。これら元素を添加して銀を加熱することで酸化マグネシウムや酸化ニッケルが生成され銀のなかで分散して純銀の硬度を維持するという仕組みです。100 HV前後まで硬度を上げることができ、経時軟化も抑えることができます。
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