SKH10(高速度工具鋼鋼材)の用途、成分、機械的性質の一覧
SKH10はタングステン系高速度工具鋼鋼材のなかで、特に加工の難しい高難削材切削用に使われる高速度鋼です。炭素量が、ハイス鋼のなかでも最も多く、バナジウムの含有量も多い点に特徴があります。バナジウムは他の元素と組み合わせて用いることで、鋼材に強力な硬度を持たせることができます。ただこうした高V系は、Vハイスと呼ばれて重宝される反面、耐摩耗性があるだけにこの材料自体の加工性は悪く、研削や切削加工するのが難しいとされます。
材料記号 | 化学成分 | |||||||||
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C | Si | Mn | P | S | Cr | Mo | W | V | Co | |
SKH10 | 1.45 〜1.60 |
0.45以下 | 0.40以下 | 0.030以下 | 0.030以下 | 3.80 〜4.50 |
- | 11.50 〜13.50 |
4.20 〜5.20 |
4.20 〜5.20 |
材料記号 | 焼きなまし温度 ℃ |
焼きなまし硬度 HBW |
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SKH10 | 820〜900徐冷 | 285以下 |
材料記号 | 熱処理温度 ℃ |
焼入焼戻し硬度 HRC |
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焼入れ | 焼戻し | ||
SKH10 | 1230油冷 | 560空冷 | 64以上 |
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